私立学校にも働き方改革が必要!学校の勤務形態・実態はどうなの??

基礎学力育成部

1. はじめに

会社企業で広まりつつある働き方改革。

学校現場でも私立学校を中心に働き方改革を進めている学校もあります。

教員・教師・先生の仕事は多岐に渡り、一刻も早く働き方を改善する必要があるのです。

今回は、私立学校の勤務形態の実態と学校の働き方改革についてご紹介します。

2. 私立学校の勤務形態

私立学校はそれぞれの学校で勤務形態が異なりますので、ここでは私が勤務した複数の私立学校の勤務形態を例にあげます。

私立学校の勤務形態は、以下の3つの雇用形態により異なります。

専任教諭

専任教諭は、会社企業でいう正社員のことをいいます。

複数の校舎をもっている私立学校の場合はその間での異動を設けているところもありますが、基本的には採用された校舎で定年まで働くことになります。

専任講師・常勤講師

専任講師・常勤講師は、会社企業でいう契約社員のことをいいます。

雇用期間が1年と定めているところが多く、1年で雇用が終了する場合もあれば、複数年雇用されることもあり、のちに専任教諭へ登用される場合もあるのです。

業務内容や勤務時間は、専任教諭に準じていることがほとんどですが、月々の給与や賞与は専任教諭より少ない場合が多く、任期満了で退職したとしても退職金が出されることはないのが基本です。

非常勤講師

非常勤講師は、別称「時間講師」ともいわれ、配当されている授業時間の勤務が基本です。

専任教諭・専任講師・常勤講師のように校務分掌の割り当てはなく、授業時間に授業をするのですが、定期試験の作成や成績処理といった業務が付随します。

給与は1コマあたりの時間給で支払われ、任期満了で退職したとしても退職金が出されることはないのが基本です。

3. 私立学校の勤務実態

私立学校の勤務実態は、それぞれの学校により大きく異なります。

今回は働き方改革に注目して、私立学校の勤務実態についてみていきます。

前提として「働き方改革」は、使用者が労働に関する法律を守りながら、労働者が安心・安全に働けることはもちろん、労働者が抱えるストレスを極力かからず、使用者と労働者が相互に働くことができる職場環境をめざす必要があるでしょう。

私立学校の勤務時間は変形労働時間制を採用

私立学校には「残業」という認識がほとんどありません。

私立学校では放課後の生徒対応、クラブ活動、入試業務、塾訪問など、勤務時間外に拘束される時間がたくさんあり、その都度残業代を申請するのではなく「教職員調整手当」といって、毎月月給の4%分が支給されることで勤務時間外の手当てをまかなっているのです。

ただ私立学校ではさまざまな学校行事があるため、多くの学校では変形労働時間制を採用しています。

例えば入試業務や体育祭・文化祭実施日は勤務時間が長く設定されますが、定期試験実施日のように生徒が午前中しかいない日は、勤務時間を午前のみにして、勤務時間を調整するのです。

要は、労働基準法が定める1日8時間、1週40時間の労働時間を、年間で超えないように調整しつつ、月4日以上の休日を確保すればいいわけです。

働き方改革を進めるにあたって、まずは法人が労働基準法が定める労働時間を遵守しているかを確認する必要があるでしょう。

これが守られていない私立学校・法人は、早急に働き方を改善しなければいけません。

効率の良い業務を図る

労働に関する法律を守るのは大前提ですが、使用者は労働者の負担をできる限り取り除くことに努めなければいけません。

私立学校の専任教諭・専任講師・常勤講師のように、労働者は定められた勤務時間に勤務しておく必要があるのは間違いありませんし、変形労働時間制の採用で、日によって労働時間の長短があるのは理解できます。

しかし労働時間めいっぱいまで勤務させる必要はあるのでしょうか。

私は常勤講師をしていた際、勤務時間内に仕事を終わらせるだけでなく、翌日以降の仕事も早い段階でこなしていたため、勤務終了時間が来るのを待ちぼうけしているときもありました。

正直「早く帰らせてほしいな…」と思うときが多々ありました。

その点、非常勤講師は配当された授業実施時間に勤務していればいいため、授業が終わってすぐ帰ることができますので、自分の時間を有意義に確保することができます。

非常勤講師は、夏休み・冬休み・春休みなど、授業がない日は出勤しなくていいのは大きなメリットです。

とはいっても学校によっては授業がない日であっても「月給で雇用していますので非常勤講師の先生であっても休みの期間は出勤していただく必要があります」なんていう学校もありました。

非常勤講師は私立学校の労働組合に加入する方はほとんどいませんので、使用者側からそう言われると従わなくてはならない状態になってしまうともいえます。

前述のように多くの私立学校は変形労働時間制を採用していますが、その制度だけでなく裁量労働制の導入も視野に入れることで、教員・教師・先生の負担はウンと軽くなるはずです。

使用者・管理職に余裕はありますか?

私立学校で働き方改革を進めなければいけない典型的な例として、そもそも使用者・管理職が業務に追われていて、教員・教師・先生や学校経営のマネジメントができていないことです。

その学校はとにかく教員・教師・先生に対して細かい規律を守らせている学校で、規律があまりにも多いために、使用者・管理職すらその管理ができていない。

学校全体としてのまとまりがないだけでなく、規律が多い分、教員・教師・先生が決められた範囲の中で仕事をしなければいけないため、仕事の効率が悪くなり、ミスが多発する。

教員・教師・先生のストレスがたまり、毎年退職する人が増え、それに比例して新規で教員・教師・先生を雇用するのですが、新規雇用者には一から新人教育をしなければならない。

私立学校は各学校で新規採用者を募集するのですが、毎年教員・教師・先生募集をかけている学校は何か改善点がある学校ともいえるのです。

使用者・管理職に加えて、教員・教師・先生が効率よく仕事できる環境になっていますか?

労働時間めいっぱい酷使するような労働形態になっていませんか?

その学校に勤めている先生の中には死んだような眼をしながら働いている人もいました。

使用者・管理職の方は、法を遵守しながら労働環境を整えるようなマニュアル通りに動くのではなく、労働者の主張を十分に取り入れながら協議を図らなければいけません。

クラブ活動は外部指導者を雇用すべし

私立学校では、放課後補習や長期休暇中の講習など、通常授業以外にも授業が組まれます。

通常授業以外の授業については、私立学校によって別途手当が支給するところもあれば、手当を支給しないところもあります。

またクラブ活動においては、クラブ顧問に就いている場合は「クラブ手当」が支給されます。

しかしクラブ手当は安いところでは月3,000円というように、クラブ1回あたり数百円の手当にしかなりません。

私も数々のクラブ顧問を務めてきましたが、運動系のクラブ顧問は、その競技の経験者または外部指導者を雇用するべきです。

経験のない運動の指導などできるわけがありませんし、無理な指導はかえって生徒にケガを負わせることになります。

未経験の競技のクラブ顧問を担当した先生の中には、スクールに通ったり、本を見て学びながら見よう見まねでやっている人もいました。

これが教員・教師・先生にとってかなりの負担であることは言うまでもありません。

生徒によってはクラブに入部して実績を作りたい人もいるわけで、クラブで実績を残すためには競技経験者から学ぶことで生徒の上達が早くなります。

総合的にクラブ活動の顧問に該当する教員・教師・先生がいない場合は、外部指導者を雇用することが必要でしょう。

クラブに関しては別の問題もあり、インターハイや地方大会にエントリーする場合、学校のクラブとして出場するわけですので、その学校に籍をおく教員・教師・先生の捺印・承諾および学校印が必要なのです。

このあたりは中体連・高体連などの組織の変革も合わせて進める必要があります。

4. まとめ

今回は、私立学校の勤務形態の実態と学校の働き方改革についてご紹介しました。

学校の教員・教師・先生は職業の中でも、多忙を極める仕事であることは私が実感しています。

自分の時間を取ることができず、かといってものすごく給料が高いわけではない。

しかし生徒が成長する姿や、喜怒哀楽をみることが何よりも楽しさを感じる方が教員・教師・先生になっています。

とくに私立学校は生徒のために力を注ぐ学校がほとんどですが、本当に生徒のために力を注げる学校を組織したいのであれば、使用者はまず教員・教師・先生を大切にしなければなりません。

使用者・管理職は、教員・教師・先生に無理させていませんか。効率よく仕事ができる環境にありますか。勤務時間めいっぱいまで働かせていませんか。

教員・教師・先生も人間です。

無理すれば体を壊します。

体を壊したときの責任をとることを考える以前に、そうならない労働環境を作るのが使用者・管理職の役割です。

「使用者」という表現は「使う者」という意味ですが、だからといって酷使してはいけないことは言うまでもありません。

私が複数の学校に勤務して多くの学校を見る限りでは、働き方改革をしなくていい私立学校はないでしょう。

教員・教師・先生が安心・安全に心地良く働ける環境であると、教員・教師・先生の気もちにゆとりが生まれます。

教員・教師・先生にゆとりができれば、生徒のためになる学校運営ができます。

生徒のためになる学校運営ができれば、自然とそこで働きたい教員・教師・先生が集まり、採用・雇用に困りません。

また教員・教師・先生にゆとりができれば、学校組織が安定し、自然と安定した生徒募集にもつながります。

学校は使用者のものでも、管理職のものでもありません。

教員・教師・先生は今の職場の働き方に不満や不合理があるのであれば、それを一新するために使用者・管理職に伝え、双方で十分協議を重ねていきましょう。

そうすれば生徒のために、よりよい学校づくりができること間違いないです。

この記事を読まれた方で「記事に書いてあるような勤務形態が実現できるわけがない」と多くの方がお思いになるかもしれませんが、多くの学校教員・教師・先生が動くことで、記事にあるような勤務形態は近い将来実現されます。

今回の記事を参考に、生徒のために、よりよい職場環境づくりをしていきましょう。

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