新教育で学びを変える!そのためには授業スタイルも変える!

志学舎

1. はじめに

未来社会を生きる生徒のために学校があるわけですが、今学校で行なわれている教育もどんどん進化しています。

とくに授業スタイルは、教員・教師・先生が一方的に学習内容を教え込むスタイルは過去のものになりつつあります。

今回は、新教育による学びの変化について考えていきましょう。

2. 変化する授業スタイル

あなたがイメージする学校の授業は、教員・教師・先生が教壇に立って、一方的に学習内容を指導し、黒板に書かれたことをノートに記録するスタイルでしょう。

確かに大学受験を目指す生徒にとってはその方法は効果的かもしれませんが、学校は大学受験に合格させる組織というより、大前提として「未来社会を生きる“人”を育てる」という大目標があります。

つまりtalk and writeの授業スタイルは未来社会を生きる人を育てることはできません。

現代で本当に必要な授業のスタイルは、生徒同士で学び合い、教え合い、考え合う場を設けたスタイルです。

なぜ秋田県は学力水準が高い?!子どもの学力を伸ばす方法とは??でもご紹介したように、生徒同士で対話させ、教え合うことで新たな発見がありますし、新たな疑問が出てきます。

それを生徒同士で解決することで学びにつながるのです。

このように生徒同士で学び合い、主体的・対話的で深い学び合いをさせる授業を「アクティブラーニング型授業」といいます。

私もそのような環境が授業内で作れるように意識しながら授業を行なってきましたが、先日ある学校で新教育の研修を受けてから、より自分の授業スタイルを変化させようと思いました。

中学1年生「地理」でのアクティブラーニングの例

中学1年生の地理の授業で、以下のようなグラフを扱いました。

各業態の販売額推移を示したもので、私はこのグラフをもとに各業態の本質を理解させるために以下のような問いかけをします。

私「なぜ百貨店は販売額が落ちているのでしょう??」

生徒「商品が高いから買いに行く人が少ない」

→他生徒「確かに百貨店ってブランドもんばっかり売ってるイメージがある」

→他生徒「うちの親も百貨店には買い物に行かんかな…」

生徒「駅近にあって駐車料金も高く、車でいけないからたくさんの買い物ができない」

→他生徒「でも言うて1日最大1000円くらいで停めれるから高くはないやん??」

→私「梅田とかは20分400円とかもありますよね」

→他生徒「ってことは1時間1200円の駐車料金ですか?!それは高すぎる…」

→他生徒「大阪みたいな都心は土地が高いから駐車料金も高いんやって…」

生徒「他の業態と比べると営業時間が短いから買い物できる時間が短い」

→他生徒「確かに、イオンみたいところやったら22時くらいまでやってる」

私はほとんど口をはさむことなく、百貨店のグラフだけで5分くらいお互いの意見交換をしています。

私「百貨店が生き残るためにはどうしたらいいんだろ??」

生徒「ものを安く売る!」

→他生徒「ブランド品とかはあんまり値段下げられへんやろ」

→他生徒「百貨店はイオンみたいな店舗で扱っていないものがあるから、それを売りにすればいい」

→他生徒「それを売りにしてても販売額下がってるやん?」

生徒「他の百貨店で売っていないものを売ればお客さんがくるんじゃない??」

このようなやり取りが続き、このあと大型スーパー、コンビニエンスストア、通信販売についても扱い、このグラフ1枚だけで20分ほどの時間を費やしました。

生徒同士が自分の知っていることを出し合い、それに対して共感する生徒、別の視点を持っている生徒が発言することで、新たな知識を得る生徒が増える。

生徒が住んでいる地域によって業態にも違いがあるため、生徒同士で知らないことを共有し合いますし、私も知らない情報を得ることができます。

この活動は社会でものを生み出すとき、経営を考えるとき、戦略を考えるときと同じ動きです。

中学生のときからこういった活動をさせることは非常に意義があります。

私がグラフに対して「なぜ?」と問いかけるだけで生徒同士で学び合いをするのです。

既存のカリキュラムを達成しつつアクティブラーニングの導入を

各学校には年間カリキュラムが設定されており、教科担当者は年間カリキュラムに沿って授業を進めていく必要があります。

学校は生徒を大学へ進学させることを目標としているところがほとんどですので、目標を達成するために年間カリキュラムに沿った学習指導は必要なのです。

ただ先ほどご紹介したアクティブラーニングの導入も必要不可欠です。

私は中学生に対して大学受験に必要な学習内容はきちんと伝えるのを怠ることなく、アクティブラーニング授業に時間を費やすようにしています。

中学校の社会科の授業で課題(宿題)が出されることはあまりありませんが、私は学校が定める年間カリキュラムの学習内容を定着させる義務がありますので、週に1度課題を提出させています。

限られた教科の指導時間の中で、いかに未来社会を生きる生徒にプラスになるような教育を施すべきかを常に模索・実践するようにしているのです。

自分の授業スタイルを変化させることの負担

これまで詰め込み式の授業を行なってきた場合、アクティブラーニング型授業のように、新教育スタイルに切り替えるのには相当な労力が必要です。

しかし未来社会を生きる生徒を育成するためには、教員・教師・先生が変わらなければいけません。

私はというと…、もともと塾・個別指導・家庭教師で指導していましたが、生徒を受験に合格させるような詰め込み式の教育に違和感をもったため、学校業界へ移りました。

だからといって、授業内で未来社会を生きていく生徒を育成できているかというと、まだまだ未熟ですので、研修を受けたり、異業種の方と交流を図ったりしながら、自分を成長させています。

自分の人生経験値が高いほど生徒に貢献できることは間違いありませんし、他の教員・教師・先生に負けないくらいさまざまな経験を積み重ねる努力をしています。

既存の自分を変化させるのは簡単なことではないと思われがちですが、自分の足でさまざまな環境に入っていくことで、自然と自分を変えることができるのです。

3. まとめ

今回は、新教育による学びの変化について考えていきました。

従来の詰め込み式の授業を展開しても、生徒が成長する伸び幅には限りが出てきます。

生徒たちに知識・教養を詰め込みたいのであれば、分かりやすい授業を展開している衛星授業を視聴させたり、学習内容を理解しやすい教材を渡して読ませるだけでも、ある程度の知識・教養は身につくものです。

そこで疑問点があれば質問を受け付けて、教員・教師・先生が解説をするだけで、生徒は知識・教養を身につけるでしょう。

教員・教師・先生の役割は、知識・教養を身につけさせるだけじゃない。

未来社会を生きる生徒のためにアクティブラーニング授業を導入するなど、幅広い視野をもって生徒を成長させるのが教員・教師・先生の役割ではないでしょうか。

今回の記事を参考に、授業スタイルや学びを変化させてみてはいかがでしょうか。

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