オンライン授業でアクティブラーニング!生徒の学習能力を高めるには?

お知らせ

1. はじめに

新型コロナウイルスによる休校要請が出されている中、全国のほとんどの学校で休校が続いています。

そんな中、オンライン授業を始めている学校が増えていますが、オンラインでもアクティブラーニングを行なうことが十分に可能です。

今回は、生徒の学習能力を高めるためのアクティブラーニングについてみていきましょう。

2. アクティブラーニングの目的

アクティブラーニングとは、「能動的学修」のことで、学修者(児童、生徒、学生等)が受け身ではなく、自ら能動的に学びに向かうよう設計された教授・学習法のことをいいます。

具体的にはグループワークやディベートが例としてあげられ、学修者の認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験といった能力を育むことが目的です。

アクティブラーニングは文部科学省も実現を目指しています。

人間が生活する中でさまざまなことを考えなければなりません。

学校で習う知識・教養をインプットするだけでなく、それらをもとに視野や考え方を広げていき、アウトプットしながら社会貢献していくことが生きていく中で求められます。

3. アクティブラーニングに対する意見

アクティブラーニングについては、さまざまな賛否がありますが、どちらかというと批判的な意見が多いように思います。

ここでは一般的な意見にはどのようなものがあるのかみていきましょう。

教員・教師・先生の負担が大きくなる

「授業時数は増やさない」「教えることはどんどん増やして内容をなかなか減らさない」「アクティブラーニング学習を進めるために研修の時間がなくほとんど独学」という意見があります。

今の教員・教師・先生方の多くは、ご自身がアクティブラーニングを受けてきた世代ではないため、いざアクティブラーニングを展開するとなると難しいと感じるのでしょう。

アクティブラーニングは決まった授業展開はありませんが、生徒に意義のある能動的な学習活動を展開しなければならないことが大前提です。

単に能動的な学習活動をしたところで、生徒の能力・成長の向上につながっていなければ何の意味もありません。

今ではアクティブラーニングを実践されている先生が、オンラインでアクティブラーニング学習について情報共有をしたり、お互いに授業の進め方を公開し合ったりしていますので、それらの会に参加するのも1つです。

確かに教員・教師・先生の負担は大きくなりますが一方通行な受け身の授業展開は、生徒の能力・成長の向上には適していません。

また授業時数については、年間授業時数やカリキュラムが決まっていますので、時間的に毎時間フルでアクティブラーニングを導入することは不可能でしょう。

中学生にはアクティブラーニングは早すぎる

「基礎的な知識を身に付けている段階での中学生には、アクティブラーニングは必要ないと感じる」という意見があります。

アクティブラーニングは何も中学生の段階から始めるものではありませんし、むしろ小学校でのアクティブラーニングは以前から行なわれています。

小学校の理科や社会の授業では、能動的に自分たちで学習する時間があったはずです。

例えば社会科の授業で「日本の固有の領土」についてアクティブラーニングするのであれば、領土の位置、面積、他の島との関係、歴史などについて、班分けをしながら生徒たちに調査させる。

これらは教科書に載っている内容ですので、学校では教員・教師・先生が一方的に伝えて終わってしまう場合がほとんどですが、教員・教師・先生がすべてを教えるより、生徒たちに調べさせたほうが調査する力が身につきますし、一方的に教えられるより記憶に残るものです。

中学生にアクティブラーニングはまったく早いものではなく、むしろ小学生・中学生のときから自分で調べたり知ったりすることが、その後の成長に生かさせると考えます。

人前で話すことが苦手な生徒には苦痛

アクティブラーニングは自分1人、またはグループで調査したり、意見を交換しながら学習をしていきます。

生徒たちにグループ活動をさせているときに、どうしてもグループに馴染めない子、一緒に作業をしない生徒もいるものです。

人前で話すことが苦手な生徒にとって、アクティブラーニングは苦痛に感じることは間違いありません。

教員・教師・先生の中には「将来人前で話せなくてどうやって仕事をしていくんだ」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、現代では対面しなくても仕事をすることも可能な仕事もあります。

ただ将来的にオンラインであっても、人との対話が必要な場面があることも確かです。

人前で話すことが苦手な生徒がいる場合は、無理に人前で話しをさせると拒絶する可能性がありますので、文章などで自分の考えを表現させるなど、他の策をとることを考えながら、少しずつ人前で話すことができるように導くといいでしょう。

4. オンライン授業でアクティブラーニングは可能

先日のオンラインテレワーク仕事は可能?これまでの古い働き方を見直そう!でもご紹介したように、オンラインを使いながら会議を行なったり、学校現場であるとホームルームや授業を行なったりすることは十分に可能です。

オンライン上で生徒同士が発表したり、自分の意見が言えるように、教員・教師・先生があらかじめ議題などを提示し、生徒が個々またはグループで調査させておくと、有意義なアクティブラーニングを行なうことができるでしょう。

生徒の学習能力は、従来の授業のように、単に知識・教養を詰め込むような教員・教師・先生からの一方通行の授業では向上させることはできません。

小学生や園児がやっているように、自分たちで調べたり、考えたり、新たな発見をすることで、社会人として必要な力が身につけることができ、学習能力が向上していくのです。

5. 新型コロナウイルス休校要請期間中を活用した授業準備

日本政府は2020年5月6日のGW最終日までを緊急事態宣言の対象期間としていますが、新型コロナウイルス政府専門家会議メンバーで日本医師会常任理事の釜萢敏氏や、その他多くの専門家は「5月6日に新型コロナウイルスの蔓延が終息しているとは思えない、緊急事態宣言は延長になる可能性が高い」としており、GW明け以降も自粛要請・休校要請が続くと思われます。

日本政府は新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い 学校に登校できない児童生徒の学習指導について(通知)の文書を出しており、そのその判断は自治体・教育現場に委ねられています。

また日本政府は5月7日以降に緊急事態宣言を延長させるかどうかは、GW期間中に判断するとのこと。

いきなり休校要請が出されたときの教育現場と同じように、突然GW明けに業務再開!再開不可!となることを想定しておかなければいけません。

つまり会社企業、私立・公立学校は、GW明けに業務が再開された場合の準備と、再開されなかったときの準備をしなければいけません。

外出自粛が行なわれているため、自宅でGW明け以降の準備が自宅でできる方もいらっしゃると思いますので、アクティブラーニングを実践されている先生方とつながりを広げるなどして準備していきたいものです。

[追伸]

2020年4月22日現在の情報ですが、兵庫県小野市では4月9日から小学校・中学校の休校措置を採っていますが、その期間の授業時間を確保するために夏休みをゼロにする(お盆休みはあり)方針を表明しました。

この動きは他の自治体・私立学校でも採られる可能性は十分にある…、むしろその措置を採らなければ授業時数が確保できない現状にあります。

より今の間にアクティブラーニングを含めた授業準備をしておく必要がありますね。

6. まとめ

今回は、生徒の学習能力を高めるためのアクティブラーニングについてみていきました。

今、学校の授業でアクティブラーニングがなぜ必要なのか、それは生徒が能動的に学習をしたほうが、生徒の能力・成長の向上につながるのです。

学校は生徒を「人間」として育てる場所であり、教員・教師・先生が一方的に授業を行なって知識・教養を詰め込む場所ではない、それは受験合格を目指す塾・予備校の役割でしょう。

教員・教師・先生の中にはアクティブラーニングに批判的な方もいらっしゃるのは事実です。

カリキュラム通り授業が進まない、最終的には受験に合格させるためにはカリキュラム通りの教科指導をしなければならないことも理解できなくはありませんが、前述のように学校は生徒を「人間」として育てる場所。

教員・教師・先生が授業内容すべてを教えるのではなく、生徒が教員・教師・先生に教わる前に自分でさまざまなことを調べたり考えたりすることで、より生徒の能力・成長の向上が図ることができます。

私は生徒たちに、日々以下のことを伝えてきました。

「他者に正確な情報が伝えられるようになるには、まずは自分がしっかりその事象について理解していなければいけない。事象を理解するためには自分が分からないこと・知らないことをは自分で調べなければ身につかないんだよ。調べることは面倒かもしれないけど、その調べた労力は決して無駄にならない。正確な情報を得た人はきっと喜んでくれるはず。」

「授業内容を教員・教師・先生から教わるのではなく、自分たちで授業することを想定しよう。単に教科書の語句を説明するような授業ではだめ。そんな授業を受けていたらあなたたち生徒も退屈でしょ?教科書の内容から今起きている事象を事例にしたり、そこからみんなで考えられることを議題にしよう。」

高度なことかもしれませんが、生徒たちは無限の可能性をもっていますので、高いレベルで実現できるものです。

今回の記事を参考に、アクティブラーニングやその現状について知っていただければ幸いです。

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