1. はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、全国的に学校が休校状態になっています。
学校によってはオンラインを利用した授業やホームルームが展開されていますが、ネット環境が整備されていない家庭があるのも事実。
今回は、新型コロナウイルスの休校期間の学費等の支援にはどんなものがあるのかについてご紹介します。
2. オンラインを利用した授業・ホームルーム
私立・公立学校ではオンラインを利用した授業・ホームルームを展開しているところが増えています。
オンラインで授業を受けるといっても、おもに以下の3つのやり方が挙げられます。
オンデマンド | 収録済みの授業の動画を好きなタイミングで受ける |
リアルタイム | 授業の映像と音声が生中継され、それを受ける |
講義資料 | スライドなどの資料を自分でダウンロードしてそれを見る |
オンライン授業のメリット・デメリット
上記のオンライン授業には、それぞれメリット・デメリットがあります。
講義形式 | メリット | デメリット |
オンデマンド | ・好きな時間に授業を視聴可 ・分からない部分は映像を停止し自分のペースで進められる |
・視聴を忘れたり、視聴できない分が溜まっていく可能性がある ・疑問点をその場で解消できない |
リアルタイム | ・質問にリアルタイムで回答してもらえる ・学生の理解度に合わせて進められる ・学生同士の議論ができる |
・視聴人数が多いと通信環境が不安 ・意図的に授業を妨害される可能性がある |
講義資料 | ・データ通信の負担が軽い ・映像よりも準備が簡単で導入しやすい |
・個人作業になり、授業の質が低下する |
オンライン授業・ホームルームの導入例
新型コロナウイルスで休校措置が採られている期間中は、オンラインで授業を行なったり、ホームルームを行なっている学校が増えました。
私がつながっている私立学校の先生の多くはZoomを利用しています。
ただZoomはオンラインテレワーク仕事は可能?これまでの古い働き方を見直そう!に挙げたことに気を付けながら利用する必要があり、テレビ局はゲストとのオンライン中継を結ぶときは、日本マイクロソフトSkypeが使われています。
オンラインでの授業やホームルームを行なうためには、各家庭でネット環境が整備されていなければなりません。
もしネット環境が整備されていない場合は、そこで教育格差が生じてしまうため、ネット環境が整備されていない家庭には授業で使う教材を郵送するなどの対策をとる必要があるでしょう。
2020年4月23日現在では、携帯3社は学生の通信料金を負担すると発表していますので、以下の参考にしてください。
<NTT docomo>
「新型コロナウイルス感染症の流行に伴うU25向け支援措置」の実施 -25歳以下の「1GB追加オプション」および「スピードモード」を50GBまで無償化-
<KDDI>
<ソフトバンク>
25歳以下の“ソフトバンク”と“ワイモバイル” の利用者へ50GBの追加データを無償提供
3. 新型コロナウイルス休校期間中の学費はどうなる?
新年度より授業が開始されておらず、オンライン授業が展開されたことで従来の授業回数が確保されていないことに対して、学費の返還請求が始まる可能性が考えられます。
そもそも学費とは、入学金、授業料に加え施設維持費、実験実習費、保険料などの諸費用のことを指します。
休校期間中は授業を受けていなかったり、施設を使用しているわけですから、学費を返還してほしいという気持ちが出てくるのは当然のことです。
しかし学校側としては教員・教師・先生への給与や設備維持費といった固定費が支出としてありますので、例え学費の返還請求が行なわれたとしても、その請求に応じることは難しいでしょう。
一般的に私立大学では、学則に学費の返還は行なわないという記載があるのです。
例えば、上智大学では「既納の授業料等諸納付金は返還しない」(上智大学学則66条)、早稲田大学では「既に納めた授業料等は、事情のいかんにかかわらず、これを返還しない」(早稲田大学学則58条)とあります。
私立高校・中学校でこのような規則を定めているところもありますが、実際に裁判になった際は「消費者契約法10条」により、規定が無効になることも考えられます。
もし学費の返還請求が認められた場合は、私立学校も返還請求に応じなければならない…、そのしわ寄せが教員・教師・先生にいってしまっては、先生方の生活をひっ迫することになります。
2020年4月23日現在、放送大学では返金措置をとっているほか、青山学院大学、多摩美術大学、同志社大学、日本大学、立命館大学、早稲田大学、慶応義塾大学などでは、学費減額を求める署名運動が行なわれているようです。
また新型コロナウイルスの影響で学費の支払いが困難な場合は、以下のサイトを参考にしてください。
4. まとめ
今回は、新型コロナウイルスの休校期間の学費等の支援にはどんなものがあるのかについてご紹介しました。
新型コロナウイルスの終息は2020年4月23日現在でメドが経っておらず、オンライン授業でアクティブラーニング!生徒の学習能力を高めるには?でご紹介したように日本政府の緊急事態宣言および各都道府県の多くの休校期間が5月6日までとされていますが、子どもの生命、教員・教師・先生とその家族の生命を考えると、それ以上の休校措置が必要であると思われます。
休校期間中に教員・教師・先生はオンラインを駆使して、生徒たちとコミュニケーションを図ったり、授業を行なったりしているのです。
ただオンラインでの授業やホームルームは、従来の学校のあり方ではないと思われているため、学費の返還請求が行なわれる可能性があることは想定していなければいけません。
でも…、私が知る限りでは私立学校の先生はオンラインを駆使するために、さまざまなご尽力をされていることを知っているだけに、返還請求については一息おいてほしい…。
2020年4月22日の兵庫県小野市の夏休みをなしにして授業を行なう方針が、大阪府でも採られる方針であることが4月23日に発表されました。
夏休みがなくなるのか、土日を使って授業を行なうのか、さまざまなやり方があるにしても、教員・教師・先生および生徒に負担がかかることは間違いありません。
また文部科学省が、オンライン授業は原則として認めない姿勢も変えなければいけないのではないでしょうか。
今回の記事を参考に、新型コロナウイルスの休校期間の学費等の支援にはどんなものがあるのかについて知っていただければ幸いです。
コメント