感染病にどう対処・対応する?経営者・学校長・管理職に迫られる判断

基礎学力育成部

1. はじめに

2020年3月5日12時現在、日本国内では1036名が新型コロナウイルスに感染しており(クルーズ船の人数を除くと324名)、今後もその拡大が予想されています。

日本政府は感染の拡大を食い止めるためにさまざまな施策を打ち出していますが、それと同時に会社企業の経営者、学校長、管理職も労働者・従業員・教員・教師・先生・生徒を守るために独自の対策を考えなければなりません。

そこで今回は、国や会社企業・学校などの組織が感染病に対してどのような対策をとっているのかみていきましょう。

2. 生徒と考える感染病の拡大

中国から発症したといわれる新型コロナウイルス。

日本政府は全国の学校に春休みまでの休校要請を出しており、地方自治体も独自の対策を執っています。

これは私が生徒に考えさせた1つの議題でもあり、以下のやり取りが行なわれました(『 』=私の発言、「 」=生徒の発言)。

『今、新型コロナウイルスの影響で3月2日から休みになった場合、社会にどのような影響が出るでしょうか?』

「僕らは期末試験がなくなったら嬉しいし、必要最低限は家にいます」

『そうですね。休校になったら不要不急の場合を除いて家にいなければいけません。みんなのような中学生なら一人で留守番ができるけど、小さな子がいる家庭ではどうなるでしょう?』

「小学生未満は保育園に行かせる。小学生なら一人で留守番できませんか?」

『小学生未満の保育園に通っていない子はどうする?小学生の一人の留守番ってすごく微妙で、周囲の捉え方によっては虐待やネグレクトっていわれるんだよ。』

「保育園に通ってない場合は親が面倒をみる。小学生の一人の留守番って虐待なんですか?!」

『では親が仕事の場合はどうしますか?留守番については児童相談所の職員に聞くと、小学校5~6年生の高学年でなければ安心して留守番はさせられないそうです。』

「親が仕事を休む…。そんなん高学年にならなくてもみんな留守番くらいしてますよ。」

「親が仕事を休んだらその家の収入が減って、生活苦しくなるやん」

『そうですね。家計のことを考えると仕事はなかなか休みにくいですね。留守番については今から20年ほど前に虐待やネグレクトが目立つようになってから、警察で虐待を守るチームが作られたり、児童相談所も虐待防止に力を入れるようになり、すごく神経質になっています。』

『では今後感染の拡大が見込まれる中、あなたが経営者だったり、総理大臣だったらどのように対処・判断しますか?』

すると生徒たちからは「学校や仕事は可能な限り休む」「休んだ分の給料は会社か国が払う」などさまざまな意見が出されて、出された意見に対して生徒たちで議論が進んでいきました。

このような議論を交わすことで、感情のおもむくままに一部の人間だけを守るような意見を出していては多くの人のためにならないということが分かりますし、知らなかった社会情勢を教員・教師・先生や他の生徒から知ることができます。

3. 感染病蔓延!あなたが経営者・学校長・管理職ならどう判断する?

人は今、目に見えないウイルスと闘いながら最善の策を考えているわけですが、もしあなたが経営者・学校長・管理職ならどのように組織、労働者、従業員、教員、教師、先生、生徒、そして家族をどう守るでしょうか?

また国や他の組織がどのように動いているのかも参考するのも1つです。

日本政府のうごき

日本政府は3月9日の週に特別措置法を成立させるために与野党党首で話し合いを進めています。

2012年4月の民主党政権時代に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が制定されており、新感染症にも適応できる法律を制定しています。

ただ安倍晋三総理大臣は、新型コロナウイルスは未知の感染症ではないため、現状の新型インフルエンザ等対策特別措置法のままでは適用できないと述べており、3月9日以降の成立に向けて大詰めを迎えることになります。

もし特別措置法が成立すれば、日本政府が非常(緊急)事態宣言が出せるようになるのです。

非常事態宣言が出されると日本政府は以下の8点の要請・指示を出すことができます。

①医療関係者に医療等を行なう指示

②医療関係者に予防接種を行なう指示

③緊急物資の運送・配送指示

④医療品・食品等の保管命令

⑤不要不急の外出自粛要請

⑥医療施設開設のため土地の強制使用

⑦イベント等の開催制限・指示

⑧学校等の休校要請・指示

新型インフルエンザ等対策特別措置法は民主党時代に成立したものですが、その前の自民党政権時代に作った法律であるため、与野党の批判を分散する形での成立が見込まれていますが、法律成立には日本政府も慎重な姿勢を見せています。

新型コロナウイルスに関する他国・地域のうごき

他国・地域では、新型コロナウイルス感染拡大阻止のため、以下のような動きがありました。

日本政府とは異なった動きがあることがお分かりいただけるでしょう。

台湾

●ウイルス検疫時に隔離措置を可能とする、『指定感染症』を定める(2020.1.15)

●中国本土住民の入境を原則拒否する措置(2020.2.6~)

韓国

●1日に15,000件の検査が可能な体制を敷き、3月4日時点で130,000人を超える検査を実施

シンガポール

●中国からの入国や乗り継ぎ禁止(2020.1)

●中国人旅行者の感染例が確認された直後140人に及ぶ政府の専門チームを設置(2020.1)

●HP上に感染者の個人情報公表

[感染者名(匿名)、年齢、性別、国籍、住所(部屋番号は除く)、訪問先などの行動記録](2020.2)

●空港や国境で新型コロナウイルスの検査を強制的に実施(2020.3)

地方自治体のうごき

北海道では鈴木知事が2月28日から3週間にわたって非常事態宣言を出しています。

「地域間での感染拡大のおそれ」「観光客も行程変更を」「公立高校入試は学力検査のみ実施」などの動きをとりました。

この非常事態宣言が出されるまでに鈴木知事は、菅官房長官と綿密に連携を図り、アドバイスを頂戴するなどの動きをとっています。

その他、大阪市では3月13日まで学校休校を取り決めたため、今現在では市内のほとんどの学校が休校となっています。

私立学校のうごき

私立学校は日本政府の休校要請を受けながらも、最終的には独自で休校の判断を出しています。

私が勤務している奈良県の学校では、学年末の試験が予定されていましたが、試験が中止され、生徒は3月20日まで休校、3月21日に終業式、3月22日より春休みで、クラブ活動や補習などの行事が一切中止になりました。

学年末試験を実施しない中で、学年成績の算出を行ないますので、成績算出・入力のときのみ、非常勤講師は出勤します。

一方、大阪府の勤務校では3月13日まで休校、3月14日から学年末試験で、その後成績算出をしてすぐに新年度突入という流れです。

休校期間中も特に仕事がなくても非常勤講師は、通常の勤務時間は出勤するよう言われています。

学校によっても判断はそれぞれであることがお分かりいただけるでしょう。

3月中旬以降については、学校の休校を解除するのかの判断が必要になりますが、多くの学校では自分の都道府県は感染者がいないから(つまり感染者の人数判断)という理由で登校再開すると予想されますが、登校再開には慎重にならなければなりません。

前提として、日本では新型コロナウイルスのPCR検査を受けた人がごく一握りであるということ。

検査も受けていない状態で、発熱や咳などの症状がない「無症状」の状態でも陽性反応が出るケースが増えています。

またPCR検査の結果、陰性反応であってもその後陽性反応に転じたケースもあるのです。

医師や入院患者らが新型コロナウイルスに感染した和歌山県湯浅町の済生会有田病院が3月4日午前、外来診療などの通常業務を再開しましたが、和歌山県はこれまでに同病院の職員や入院患者ら474人に検査を実施し、2週間以上新たな陽性は出ていないとして運営を再開しました。

ここまでのことをして再開するなら安全性は高いといえますが、医師の判断や検査なしに休校を解除するのはどうなのか、現段階では保健所に電話をしても検査に応じてもらえない状況であることを踏まえてどう判断するのか。

経営者、学校長、管理職は人の命を預かっている重要な職務であることを忘れてはなりませんし、危機管理リスクについては十分な議論、的確な判断をする必要があるのです。

Well-being Marketing Japanのうごき

私が経営するWell-being Marketing Japanは、おもにネットを介しての業務ですので、どこかに出勤するわけではなく、在宅で仕事が可能で、仕事の受注から代金の支払いまですべてオンラインで行なっていることから、いつも通り業務を進めてます。

新型コロナウイルスが蔓延しているからといって、今のところ需要・供給が大きく変動している庸には感じていません。

また4月よりオープン予定の47都道府県・海外ご当地グルメレストラン「ばとん」は、イートインでの営業は4月に入ってからの判断をし、新型コロナウイルスの影響が現状と変わらない、または悪化した場合はテイクアウトやUber Eats等を利用したデリバリーで対応する予定です。

従業員に子どもがいる場合は、毎日アルコール消毒をした店内で子どもは学習・遊びをし、労働者はいつも通り勤務してもいいですし、感染等の恐れで勤務しない場合は休んでもらう予定。

日本政府が、新型コロナウイルスの影響によって仕事を休む場合は、上限8,330円で補償する制度を確立する予定ですので、その制度を利用するなどして、労働者の生活が困らないようにしています。

会社企業にとってはお客様、学校にとっては生徒は大切な存在であることに違いありませんが、そこで働いている労働者とその家族なくしては、会社企業・学校は存続・存在することはできない。

どこの会社企業も学校も労働者とその家族のことを思い、今回のような緊急事態のときはICT機器を活用し、在宅勤務ができるような労働体制を作らなければいけないでしょう。

4. デマに騙されない!信憑性の高い情報を信じよう!

今回のような感染病や天災が起きたときに蔓延するデマ。

今回でも複数のデマが流されています。

例えば至るスーパーでマスクだけでなく、トイレットペーパーまでなくなっていますが、それは中国でトイレットペーパーの生産がストップしており、日本にトイレットペーパーが輸出されなくなってしまうため、いずれトイレットペーパーがなくなるというデマがあるのです。

現在ではツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどのSNSなどで、リツイートやシェアされることで、一個人の根拠のない情報が一気に拡散され、それがデマとして流れます。

トイレットペーパーについては、国内で98%生産されていますし、製紙工場も普段から24時間工場は操業しており、ここ数日はトイレットペーパーがたくさん売れたのでこれまで備蓄していたものを一部出荷はしたものの、まだ在庫はありますし、それに加えて生産はこれまで通り行なわれている。

社会不安が蔓延しているとデマであっても信じ込みやすい心境になっており、不安な人が多いこそデマの情報が「善意」で流されてしまうことから社会的パニックを引き起こすのです。

似たような事例は、1973年のときの第1次石油危機もそうですし、同年に日本が不況に陥ったときに豊川信金事件というのが起きました。

この事件は、女子高生が信用金庫に就職すると不景気がゆえに強盗が入ってきて「危ない」という話しをしていたところ、それを聞いた周囲の人が「危ない」というフレーズだけを拾って、「今不景気だから信用金庫が倒産する可能性があって危ない」と捉えたため、預金者の多くが信用金庫に預金を引き下ろしにいったという内容です。

ネット社会の今、さまざまなところから情報が入ってくると思いますが、日本政府や会社企業が発進している情報は信憑性が高く、一個人が述べている意見・考えは信憑性が低く何の根拠もない情報であることを忘れないでください。

社会不安が起きているときこそ、人間は新しくさまざまなことを考え、それを乗り越えていかなければいけません。

そしてその乗り越え方を、将来に生かすだけでなく、それを応用した考え方へと発展させる必要があるでしょう。

5. まとめ

今回は、国や会社企業・学校などの組織が感染病に対してどのような対策をとっているのかみていきました。

2020年3月現在、国内でも国民は新型コロナウイルスと闘っていますが、これを乗り越えられる方法や手段を考えられた人間は、今後同様のことが発生した場合でも乗り越えることができるでしょう。

会社企業や学校は、お客様や生徒のことだけでなく、そこで働いている労働者やその家族の環境や命のことも考えなければいけません。

感染拡大を防ぐためには、人と人の接触を避けること。

とくに日本はPCR検査など、一部の国民しか新型コロナウイルスの検査を受けていませんし、保健所も検査体制が十分に整っていないため、すぐに検査を受けられないだけでなく、保健所に電話をしても連絡がつかなかったり、検査を断られるケースも多いようです。

ただ経営者、学校長、管理職は、労働者とその家族の命までも考えなければいけません。

とくに学校では学年末試験の時期ですが「試験をしなければ成績が出せない」なんてことを言っている場合ではなく、人の命をさておいてまで試験を実施する必要はないでしょう。

これを機に、そろそろ学力試験で定められた配点によって得点を出すのではなく、生徒の成果物や達成度合いを含めた評価ができるようなシステムに変える時期かもしれません。

そのシステムになると生徒の評価を出すのが面倒だと思うなら教員・教師・先生は務まらないです。

今回の記事のように、新型コロナウイルスをきっかけに、よりよく人間が生きていける環境をみなさんで築きあげていきましょう。

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