「常識」「普通」「当たり前」は時間と場所が変われば異なる

志学舎

1. はじめに

普段、「常識」「普通」「当たり前」という言葉をよく耳にしますが、これらの言葉に疑問を抱いたことはないでしょうか。

常識とは、「健全な一般人が共通に持っている、または持つべき、普通の知識や思慮分別」とされていますが、この解説にも疑問を感じるでしょう。

今日は、これら3つの言葉について考えていきます。

2. 常識・普通・当たり前は場所・時代が変われば別ものになる

常識・普通・当たり前という環境は、場所が変われば別ものになります。

例えば、エスカレーターで立ち止まる人は左右のどちらに立つでしょうか。

関東では左側が立ち止まる人、歩く人が右側ですが、関西では立ち止まる人が右側、歩く人が左側というのが「常識」です。

関西といっても、滋賀県在住の方にエスカレーターの立ち位置を聞くと、左右の立ち位置の意見が分かれましたが、京都府在住の方に聞くと、大阪府民と同じように立ち止まる人が右側、歩く人が左側となっています。

これは簡単な一例ですが、このように場所が変われば常識・普通・当たり前は異なるのです。

他の例でいうと、みなさんは風邪を引いたとき、どのように対処しますか??

昔は、風呂に入ってはいけない、布団に入って安静にしておくのが「常識」でした。

しかし医療技術や薬の品質が上がったことで、風呂に入っても、栄養を摂って薬を飲めば風邪を完治させることができます。

他国のある地域では、私たちがみると単なる濁った水で、いかにも雑菌が含まれているような水ですが、その地域の人にとっては「神聖な水」で、その水を飲むと風邪が治るとされているのです。

常識・普通・当たり前という環境は、場所や時代が変われば異なることが分かります。

3. 常識・普通・当たり前が場所・時代ごとに異なることを理解する

前回の今日はクリスマス!クリスマスやサンタクロースの文化を知る!でご紹介したように、現代はグローバルな時代で、自国の文化のみならず、他国の文化を理解する時代です。

場所や時代が変われば、常識・普通・当たり前が異なります。

自国の文化(言語・宗教・習慣…)がすべてではなく、自国の文化が中心ではないという認識を常にもたなければいけません。

また日本人と他国の人の考え方が大きく違うことも知っておきましょう。

例えば、日本人は仕事中に休憩時間であってもお客様が来て、他のスタッフの手がふさがっている場合は、手助けする方が多いでしょう。

他国の人は、自分が休憩時間である場合は、お客様の応対が必要な場合でも応対しない傾向が強いです。

自分の肌で、今の生活と違う環境に入ったときに、自分のこれまでの環境が常識・普通・当たり前ではないことが実感できるでしょう。

4. 教育現場で常識・普通・当たり前という言葉は避けるべき

グローバルな今の時代に、教育現場で「そんなことは常識だ」といった接し方は適切ではないということは、前述の内容を読んでいただければお分かりいただけるでしょう。

教育現場内の常識は、その現場、その人の常識であって、他の場所で常識ではありません。

教育現場では、これら3つの言葉は避けるべきでしょう。

5. まとめ

今回は、常識・普通・当たり前という言葉について考えていきました。

常識・普通・当たり前という環境は、場所や時代によって異なるという理解をもっておく必要があります。

グローバルが進んでいる今の時代は、よりその理解をしておくことが異文化理解につながるのです。

また常識・普通・当たり前という言葉を、教育現場では避けるべきだということもご理解いただけだでしょう。

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