教育改革・革命

志学舎

1. はじめに

教育現場には、さまざまな問題点・課題点があり、それらを改善するために、日本では「教育改革」を行なっています。

また学校単位でも教育改革を行なっているところがほとんどです。

今回は、教育現場で行なわれている教育改革は、どのようなものなのかみていきましょう。

2.「改革」と「革命」の違い

みなさんは「改革」と「革命」の違いをご存じですか?

「改革」は既存のものを改めていくこと。

「革命」はまったく新しい取り組みを行なうこと。

似ているようで、このような言葉の違いがあるのです。

つまり国や学校が行なっている教育改革は、既存のものを、どのように改めていくかを行なっています。

それに対して革命は、歴史の語句でも「ロシア革命」「産業革命」という言葉があります。

ロシア革命では、これまでになかった社会主義体制が採られました。

また産業革命はこれまでになかった機械を用いて、手工業から機械工業の形が採られたことをいいます。

先ほどお伝えしたように、教育現場では教育「改革」が中心に行なわれていますが、改革ばかりにとらわれず、革命を起こす必要があるのです。

つまりこれまでに教育現場で行なわれていなかった取り組みも、どんどん導入していくべきなのです。

3. 教育革命の一例

例えば東京都千代田区立麹町中学校では、定期試験や固定担任制を廃止しています。

定期試験を廃止すると「生徒が学習しなくなる」「成績はどのように算出するのか」といった疑問が出るでしょう。

また固定担任制を廃止すると「生徒や保護者はどの先生を頼ればいいのか」「学級の責任者の所在はどうなるのか」といった疑問が出てきます。

果たして、その疑問を解決したところで生徒のためになっているのでしょうか。

またそれらの疑問は教員・教師が生徒や業務を簡潔に収束させるためのものではないでしょうか。

みなさんもご経験があるように、生徒は定期試験が近づくと学習を始めます。

ただその学習は意欲的なものではなく、定期試験があるため、なかば強制的に学習させられているのです。

その結果、定期試験が終われば、生徒は学習した内容のほとんどが定着していません。

定期試験に向けて努力するという過程は評価できても、学習内容が定着していないのは評価できないでしょう。

固定担任制についても、教員・教師が学級の生徒を選べないのと同じく、生徒も学級担任を選ぶことはできません。

もし生徒が自分と合わない教員・教師が学級担任になった場合、その1年間の成長にブレーキがかかることが考えられます。

「世の中、自分の好きな人ばかりと付き合っていくわけではない」という意見もありますが、固定担任制が廃止されることで、生徒・保護者が、自分に合う教員・教師、また資質の高い教員・教師に頼ることで、より成長が加速することは間違いありません。

4. 日本の古い体制に浸透していてはいけない

日本は国の体制であったり、日本人の素質として、過去のものを大切にし、それを継承していくことが重視されます。

もちろん過去があって現在があるわけですから、過去を重視することは大切でしょう。

しかし過去にあったことがすべて良いことではありませんし、既存のものがすべてではありません。

人は過去・現在を生きていますが、未来を見据えて生きていかなければなりません。

私たちが思っている以上に、時代の流れは速いです。時代の流れに適応しているだけでは不十分で、未来を見据えて歩んでいかなければならないのです。

日本の日本国憲法は1947年に施行されて以来、2018年現在では一字一句たりとも内容が変更されていません。

世界的に人権が主張されている今、人権に関する規定が存在しないのです。

日本国憲法はこのように既存のものを簡単に変更できない性質をもっていることから「硬性憲法」といわれます。

それに対して外国の憲法は、憲法の内容を比較的変更できることから「軟性憲法」といいます。

憲法1つとっても、日本の素質がみえますが、一般企業が行なっているように、「改革」ばかりにとらわれるのではなく、教育現場にこそ「革命」をもたらす必要があるのです。

革命をもたらすためにも、やはり教員・教師は、未来を見据えて、幅広い視野をもちながら、教育活動に励む必要があるでしょう。

5. まとめ

今回は、教育現場で行なわれている教育改革は、どのようなものなのかをご紹介しました。

世の中に完璧な教育現場はありません。

だからこそ、学校同士がお互いの取り組みを参考にしつつ、各教育現場で革命を起こすことで、より画期的な教育が生まれます。

現代の教育に満足していてはいけません。

未来を担う生徒のためにも、教員・教師が教育現場を変えていきましょう。

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