「社会科」は「世の中科」!実社会で必要な解釈を身につけよう!

志学舎

1. はじめに

中学校で社会科は「地理」「歴史」「公民」、高校では「地理」「日本史」「世界史」「政治経済」「現代社会」「倫理」という科目に分類されます。

これらは実社会で役に立つ知識・教養、そして「考え方」を学ぶ科目です。

今回は「社会科」は「世の中科」であることをご紹介します。

2. 教え子が社会科教員に

先日、10年程前に生徒だったAさんが、2019年4月から公立学校の教員になると連絡をくれました。

10年前に私の授業を受けていたことを覚えてくれていたようで、教員になったことを連絡してきてくれたのです。

Aさんからすると10年前の私の授業が印象に残っていたようで、私のような授業ができることを目標にし、そのような授業ができることを憧れにしてくれるそうです。

10年前の私は、当時なりに精一杯授業をしていましたが、今よりも知識・教養が少なかったでしょうし、ものの見方・視野・解釈の幅が狭かったことに間違いありません。

Aさんにとって「目標」「憧れ」と解釈してくれているのは心から嬉しいのですが、心のどこかで同じ教員・教師・先生としての立場として、さまざまな話しができればと思っています。

教員・教師・先生はブラックだと報道され、教員・教師・先生の働き方が見直されるほか、残業手当が支給されておらず「教員調整手当」といった基本給の4%のお金が支払われて残業手当のように扱われていますが、その見直しについても声があがっています。

そんな中、教え子が教員・教師・先生を目指して努力し、同じ立場になったことに喜びを感じます。

3.「社会科」は「世の中科」

社会科の指導内容をみると、世の中で役に立つ知識・教養がたくさん含まれています。

生きていく中で地理的な視点は必ず必要ですし、人は現在・未来をみて生きていきますが、過去にどのような生き方・考え方があったのかを知るために歴史的な視点が必要です。

そして現代の世の中の政治・経済・国際については必ず知っておかなければいけなくて、それを学ぶのが公民的な視点です。

社会科は世の中を伝える科目であることから「世の中科」という見方ができます。

社会科は暗記科目ではない!

社会科は語句を暗記する量が多いことから「暗記科目」と思われがちですが、社会科を暗記科目というならば、他教科も暗記しなければいけないことがたくさんあることから暗記科目といえるでしょう。

そもそも重要語句を覚えて、テストで点数が取れるような学習指導、試験形式は将来的に意味がありません。

社会科は「考えさせる科目」であり、考えるくせをつけさせることで暗記する必要がある語句が頭に入ってくるものです。

例えば先日の中学1年生の地理の授業で漁業について扱いました。

日本では沖合漁業が中心で、最近では海面養殖業の割合が増えつつあります。

それに対して遠洋漁業の割合は過去と比べると激減しており、近年では遠洋漁業はほとんど行なわれていません。

このときに「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠洋漁業」「海面養殖業」という語句を暗記させても意味があるでしょうか。

それよりかは「なぜ海面養殖業が増えつつあるのだろう?」「そもそも海面養殖業って何?」と考えさせることで、「海面養殖業」という言葉が嫌でも頭に残ります。

海面養殖業の一例で「近大マグロ」のような身近な一例をあげることで生徒たちはより関心を抱きます。

「梅田のグランフロントで近大マグロのマグロ丼が食べれるけど2000円以上するんだよ!」「近大はマグロだけでじゃなくてナマズも養殖している!」となれば、生徒たちのより授業に入ってきます。

社会科を指導する教員・教師・先生は、教材に書かれている内容を分かりやすく生徒に指導できるのは当然ですが、教材に書かれてあることのみを指導していては「学校の教員・教師・先生」とはいえません。

私は高校地理を担当するときも、生徒たちに「地理は暗記科目ではない」ことを強く伝えますし、卒業した生徒は「地理は暗記科目ではない」という実感を得ています。

歴史も時代の流れを理解していくことで重要語句が頭に入りますし、公民の世の中のしくみを知れば重要語句が頭に入るものです。

そもそも教科書の「太字」とか「重要語句」なんていう概念をなくしませんか?と伝えたいです。

社会科で伝えるべきことは「世の中」

社会科は、生徒が実社会に入ったときに、強く生きていくために必要な「考え方」を身につける科目です。

重要語句を暗記させて、テストで点数を取らせるような指導をしても、定期試験を受け終わった瞬間に生徒の頭はリセットされてしまいますので、何のために試験をしているのか分かりません。

暗記したことはリセットされたとしても、授業で考えたことは「考えるくせ」に結びつきますし、ものに対しての視野・解釈の幅が広がっていることに間違いはありません。

だから私は授業内容に関連した世の中の出来事をどんどん生徒に伝えていき、考えさせます。

一見、雑談をしているように思われますが、授業内容を発展させたことを考えさせているわけですから「雑談」ではありません。

私の授業を1年間受け終わった生徒も、教材に書かれていない内容を話す授業を行なったとしても「雑談」と感じている生徒はいないようです。

生徒の視野・解釈を広げるためには、教員・教師・先生が視野を広げ、さまざまな解釈・見解をもたなければいけません。

4. まとめ

今回は「社会科」は「世の中科」であることをご紹介しました。

社会科は暗記科目ではなく「世の中」を伝える科目です。

教材を教えるような学習指導は、生徒のためになっていません。

生徒も保護者も実社会で強く生きる人に育ちたい・育ってほしいと思っているはず。

社会科は、強く生きる人を育てられる科目。

これからも自分自身がさまざまな経験を重ね、より多くのことを学び、それを生徒に全力投球していく所存です。

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