1. はじめに
初めて開業・起業する方は「自己資金は必要なのか?」「公庫・銀行で融資は受けられるのか」とさまざまな疑問があると思います。
融資を希望する場合は、日本政策金融公庫や銀行で融資を希望するのが一般的ですが、どのような流れで融資の申し込みをするのでしょうか?
今回は、開業・起業で自己資金は必要なのか、公庫・銀行の創業計画書・面接についてご紹介します。
2. 開業・起業で自己資金は必要?
開業・起業する際は多額の資金が必要になります。
私は学習塾の経営をしたときは開業資金を最小限に抑えたため融資を受ける必要はありませんでしたが、飲食店、美容室などの設備が必要な業種ほど多額の資金が必要であるため融資を受けることを考えなければなりません。
融資を受ける方法としては、日本政策金融公庫や銀行で融資を審査・申込みをするのが一般的です。
その際は自己資金があったほうがいいのかという質問に関しては、自己資金はあったほうがいいです!
これに関しては、中小企業診断士や日本政策金融公庫にも言われました。
※中小企業診断士は、経営コンサルタントとして唯一の国家資格で「日本版MBA」ともいわれており、業界・職種に共通してあてはまる、“企業が売上を伸ばし、コストを削減し、利益を上げる”ための適切な提案をするのが仕事で、社会的に高く評価されています。
自己資金が少しでも多くあるほうが融資金額が少なくなり、融資金額が少ないということは融資される可能性が高くなるのです。
開業・起業では少しでも多くの自己資金を用意しましょう。
3. 公庫・銀行に提出する創業計画書・面接のポイント
公庫・銀行に融資を申し込む場合は、創業計画書または事業計画書が必要になります。
ここでは私の経験に基づいた創業計画書を書くポイントや、公庫で融資を受けるために実施される面接のポイントについてご紹介します。
公庫・銀行に提出する創業計画書のポイント
公庫・銀行に提出する創業計画書のポイントは、創業計画書を作成するときは中小企業診断士のアドバイスをもらうということです。
創業計画書は業種によって記入例はさまざまなですので、詳しくは日本政策金融公庫・創業計画書記入例を参考にしてください。
公庫や銀行に融資を申し込む際は創業計画書を作成する必要があり、サンプルをみると書き進めていけるように思えますが、この書類を甘くみてはいけません。
なぜなら、この書類をもとに公庫や銀行と面接をして融資の話しを進めていくからです。
創業計画書を作成する際は、自分で作成したものを中小企業診断士にチェックしてもらうことをおすすめします。
「でも中小企業診断士に見てもらったり相談するとお金がかかるのでは…」と思われますが、大阪府の商工会議所では中小企業診断士への相談が1年間で5回まで無料ですので、開業・起業する際はまず商工会議所に出向いて中小企業診断士に相談するといいでしょう。
大阪府の場合は、曜日ごとに商工会議所に駐在する中小企業診断士に代わりますので、毎週同じ曜日に商工会議所に訪れると、同じ中小企業診断士に担当してもらうことが可能です。
中小企業診断士と話しができる時間は約45分です。
この間に、公庫や銀行で受け付けてもらえる創業計画書を作成する必要があるため、私も中小企業診断士に訂正を加えてもらいながら、創業計画書を完成させました。
中小企業診断士とともに創業計画書を作成することで、最終的に中小企業診断士より「新創業融資制度申込紹介書」を発行してもらえます。
「この紹介書があると公庫や銀行の融資面接で有利になるかは分かりませんが、紹介書を添えて公庫や銀行に創業計画書を出しておくに越したことはない」と中小企業診断士は言っていました。
後日、公庫に創業計画書を提出したところ、内容に関して大きく改善を求められるところはありませんでした。
ちなみに日本政策金融公庫のフォーマットである創業計画書は、銀行の融資を受ける際にも資料として使うことができます。
中小企業診断士のアドバイスを受けた前述の創業計画書や、その書き方についてお知りになりたい方、何度も商工会議所や中小企業診断士のもとへ足を運ぶのは面倒だという方は、有料コンテンツとして配信をいたしますので、このwebサイトのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
公庫・銀行での面接のポイント
前述の創業計画書を公庫・銀行に提出すると同時に、公庫・銀行の職員と融資に関する面接を受けることになります。
面接の際は以下の書類が必要です。
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- 創業計画書
- 借入申込書
- 新創業融資制度申込紹介書
- 賃貸物件決済金明細書
- 事業を進めるうえでかかる費用を証明する書類
※事業系ごみ処理手数料
※備品・什器の購入見積書
※火災保険等の保険の見積書
※役所で申請する際に必要な手数料の見積書
上記の書類はあくまでの一例ですが、融資金で購入・支払いをするものに関してはすべて証明しなければなりませんので、備品・什器などの見積りを購入予定店で出しもらわなければなりません。
所で申請する際に必要な手数料など、見積りを出してもらうのが難しい場合は、ホームページ等に掲載されている手数料の一覧を印刷して提出しても受け付けてもらえました。
公庫・銀行との面接は、これらの提出資料をもとにさまざまなことを聞かれます。
ここで全貌を書くことはできませんが、提出書類をもとにプライベートな内容まで突っ込んで質問されますので、偽りなく応えることができるように準備しておく必要があるでしょう。
私の場合は「Well-being Marketing JapanのIT事業で仕事が安定しているのであれば、わざわざ融資を受けて飲食店を開業するリスクを負う必要がないのでは?」という突っ込みもありました。
この場合は事業拡大ということを伝えれば、それ以上の質問は生まれませんでしたが、どのような質問がくるかは、ある程度シミュレーションしておくことをおすすめします。
面接の内容の全貌を知りたい方は、有料コンテンツとして配信をいたしますので、このwebサイトのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
4. まとめ
今回は、開業・起業で自己資金は必要なのか、公庫・銀行の創業計画書・面接についてご紹介しました。
これから開業・起業をお考えの方で公庫・銀行からの融資を希望される方は創業計画書を作成しましょう。
創業計画書が作成できれば、あとは面接に備えてください。
中小企業診断士に週1回相談しながら創業計画書を完成させるまでには約2~4週間、公庫や銀行に創業計画書を提出してから面接を受けるまでには約2週間、面接後融資の可否を聞けるまでに約2~3週間、実際に融資を受けるまでにはさらに約2週間かかりますので、開業・起業日より約3ヶ月前以上から融資を受けるためには動かなければなりません。
有料コンテンツをご覧いただくと、より創業計画書の書き方や面接で質問されたことを知ることが可能です。
今回の記事を参考に、開業・起業で多額な資金が必要な場合は、公庫・銀行での融資をお考えいただき、創業計画書の作成や面接について準備をすすめていきましょう。
[追伸;私立学校にお勤めの教員・教師・先生へ]
私立学校にお勤めの教員・教師・先生もこの記事をご覧になっていると思います。
教員・教師・先生に創業計画書の話しは関係ないと思われるかもしれませんが、生徒たちが生きる未来はAI等の普及で現存の職業がどんどんなくなっていきます。
日本の働くスタイルは就職して会社に勤める方が大半ですが、終身雇用制や年功序列型賃金制も衰退している中、将来的に複業を始めたり、開業・起業する生徒も多いはず。
アメリカでは学生の多くが就職を考えるよりかは、開業・起業を考えています。
そう考えると、学校の授業で創業計画書を作成させたり、模擬面接を行なうと、将来の生徒の役に立つでしょう(←教員・教師・先生が実際に経験する必要がありますが…)。
このように教員・教師・先生にもこの記事を含めて、今後配信する記事については「教育に関係ない」といって目を通さないのではなく、むしろ自分が経験したことがないことを吸収していただき、生徒たちの役に立てていただければ幸いです。
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