新教育実践に教科の枠組みは不必要!教科間の連携で相乗効果を生む!

志学舎

1. はじめに

以前より増して、日々新教育を意識した教育を教育現場で実践しています。

実践しながら思うこと・考えることがどんどん増えていきました。

今回は新教育に必要なアクティブラーニング学習を実現するには何をするべきか考えていきましょう。

2. 新教育の実践―アクティブラーニングの導入―

私の以前の授業スタイルは、アクティブラーニングといえるほど授業中に生徒間の意見交換などのやり取りはありませんでした。

しかし最近では、授業時間内のどこかで生徒同士で意見を交換させる時間を設けようとしています。

中学3年生「公民」の一例

現在指導している中学3年生の「公民」は、高校で履修する「現代社会」の内容を中心に進めていますので、いわゆる先取り学習の形式です。

授業では高校現代社会で扱う重要語句を中心に扱いながら、アクティブラーニングも怠ることなく導入しています。

今は経済分野で収入と支出の話しをしており、収入の中には勤労所得、個人業主所得、財産所得があり、その他国民年金によるお金も収入にあたるのです。

「現代社会」に重要語句として“国民年金”があるのですが、生徒の多くは自分が高齢者になったときに、国から年金が支給されるかを不安に思っています。

未来社会を生きる生徒には国民年金の現状を知らせつつ、次のことを伝えました。

国民年金は国の制度であり、20~60歳が月に16,340円(2018年)支払い、65歳から年金を受給するしくみです。

これは教材に書いてある話しです。

ただ国民年金は40年間満額支払ったとしても、65歳から受給できる年金受給額は月64,941円。

満額支払っていなければ、受給金額は減らされてしまうのです。

それだけでなく国民年金は25年以上、年金を納めていなければ年金を受給することができませんが、このことは社会人でも知らない方が多くいらっしゃいます。

つまり年金を24年11ヶ月分納めていたとしても、65歳以上の年金受給額は0円です。

これらを知識・教養として伝えると、生徒は顔色を変えたように生徒同士で話し合いを始めました。

生徒「年金が受け取れないってどうやって生活したらいいん??」

→他生徒「死ぬまで働けってことか…」

→他生徒「働けるだけ働いて、働けなくなった生活保護を申請すればいいんちゃう?」

→他生徒「先生、生活保護ってどれくらいお金もらえるんですか??」

本当は生徒に調べさせたいところですが、生徒が個々にタブレット端末をもっているわけではないので、ここは私が答えをいいます。

私「生活保護は地方自治体や世帯形態によって受給額が異なって、東京都に住む単身世帯で月額134,000円程かな」

生徒「それやったら国民年金より受給額多いから、生活保護受けたらいいやん」

→他生徒「いやいや、生活保護って税金から支給されてるんやぞ?それは違うやろ」

→他生徒「そもそも年金がきちんと払われたら生活保護は関係ないやろ」

このようなやり取りが5分程続きました。

国の制度については、生徒たちはこれから知っていくことがたくさんありますので、生徒たちの話し合いの中で、必要な知識は私が小出しにしていきます。

理想は生徒1人がタブレットをもっていて、分からないことがあれば自分たちでそれを調べてほしいものです。

そうすることで、生徒がネットで調べたページが信憑性の高いサイトを見ているかもお互い確認できるでしょう。

個人が書いたようなブログは信憑性が高くありませんし、政府や会社企業が書いた情報であれば信憑性が高いわけですからね(←情報リテラシーといいます)。

このようにアクティブラーニングが進んでいくと、さまざまな視点からものごとを考えることができるのです。

実は生徒は学ぶことが好き

生徒は詰め込み式の授業をすると、おもろなさ、眠たさを全開に出してきます。

しかしアクティブラーニングだと、自分が発言しなくとも、他の生徒が言っている発言に耳を傾けたり、話し合いの流れを理解したりしています。

アクティブラーニング学習は、詰め込み式の授業より画期的であり、アクティブラーニング中の生徒をみていると自分で考えたり、発言することで生き生きしているのです。

その姿をみると、生徒は実は学ぶことが好きなんだと感じます。

その姿勢を成長させるためには、今回の私の授業のようにアクティブラーニング学習の中に、伝えるべき知識・教養を入れていくのが理想だと思います。

そうすれば生徒も自分で「なぜ?」という疑問を解決することができ、意欲的に学習に取り組むのではないでしょうか。

3. 教科の枠組みを超えた新教育

中学・高校では国語・数学・理科・社会・英語の主要5教科を中心に授業が展開されています。

学習指導要領も5教科に区分されていますが、新教育では教科ごとにアクティブラーニング学習を行なうのではなく、教科の壁を取り払って、未来社会に生きる生徒を育成する必要があるのです。

例えば、社会科の地理の授業では、国語・数学・理科・英語の知識・教養・考え方が必要な場合があります。

そもそも5教科という「型」にはめて生徒を育成するやり方そのものを変えていかなければならないでしょう。

そうしなければ、新教育のアクティブラーニング学習を実現させることができません。

社会科の授業であっても、他教科の先生に入ってもらって、融合的にアクティブラーニング学習を確立させることで画期的なアクティブラーニング学習になります。

私立学校の教員募集の行なわれ方も、社会科では「日本史を専門とする方」と科目が限定されて募集されています。

大学受験指導や中学高校の入試問題の作成をするときに、専門性の高さは必要でありますから、そのことを視野に入れて科目を限定した募集をしているのでしょう。

しかし専門科目しか指導できない教員・教師・先生は、アクティブラーニング学習を実施するときに視野や解釈がせまくなることが多いに予測されます。

私は社会科の地理・日本史・世界史・現代社会・政治経済・倫理すべての科目を指導したことがありますが、その中で見いだせたのは各科目にはすべてつながりがあるということです。

そのため「地理しかできない」となれば、あまりにも視野や解釈がせまく、幅広いものの考え方ができません。

教員・教師・先生がそのような状態で、生徒にアクティブラーニング学習をさせることはできないでしょう。

教科・科目に関係なく、教員・教師・先生全員で、未来社会を生きる生徒を育てあげるのが使命です。

4. まとめ

今回は新教育に必要なアクティブラーニング学習を実現するには何をするべきか考えました。

新教育の実践でアクティブラーニング学習は欠かせません。

アクティブラーニング学習を実現させるために教員・教師・先生は、自分の教科の枠にとらわれるのではなく、他教科の教員・教師・先生と連携を図り、幅広い視野・解釈をもたなければいけないのです。

新教育でアクティブラーニング学習を確立させ、未来社会で強く生きる生徒を育成するのが教員・教師・先生の使命であることを忘れてはなりません。

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