1. はじめに
子どもをインターナショナルスクールへ通わせたいとお思いの保護者がいらっしゃいます。
グローバル社会・ボーダレス社会の今、他国の人とは必ずいっていいほど接することになります。
インターナショナルスクールといっても欧米式のインターナショナルスクールだけではありません。
今回は、インド式インターナショナルスクールについてご紹介します。
2. インド式インターナショナルスクールとは?
インターナショナルスクールといえば欧米式のスクールをイメージしますが、今注目されているのがインド式インターナショナルスクールです。
グローバル・インディアン・インターナショナルスクール(GIIS)は、インド式インターナショナルスクールで、7か国に19キャンパスを所有しています。
日本には、東京都に西葛西キャンパスと東葛西キャンパスが設置されています。
では具体的にインド式インターナショナルスクールについてみていきましょう。
インド式の教育
実はインド式の教育は、日本でも以前から注目されていました。
中でも知られているのは、日本では九九を小学2年生で習いますが、インドでは6歳からかけ算を習い始め、12歳までに20の段まで言えるようにするのです。
線を引くだけで理解できるかけ算のひっ算ができるなど、ユニークな教育を行なっていることも知られています。
GIISで行なわれているインド式教育
GIISには幼稚園から高校まで約800人が在籍しており、生徒の約30~35%は日本人です。
生徒は学年に分けられるのではなく、グレードによって分けられる縦割り方式。
具体的にGIISの教育についてみていきます。
GIISの学校生活
GIISの生徒たちは以下のような学校生活を送っています。
登校が8:30、下校時間が15:30というのは日本の学校と大差ありません。
インド式では授業が10時間目まで行なわれており、休憩時間は10:00のスナックタイムとランチタイムの2回だけで、合計時間は40分。
日本は50分の授業が終わるたびに10分間の休憩があり、昼休みなども含まめると1時間以上の休憩があるのです。
習得言語は英語だけではない
インドは21の言語が使われており、準公用語として英語が用いられていることから、GIISでも授業や連絡事項などはすべて英語で行なわれています。
英語の授業では本読みが行なわれるのですが、個々人で読むのではなく、他の生徒の前で本を読むプレゼン方式を採用しているため、人前で話すことに慣れていきます。
毎日の朝礼ではボキャブラリーの練習として、先生が選んだ言葉を生徒が校内放送で読み上げ、言葉の意味を学ぶのです。
この他にも、グレード1(最小学年の5~6歳児・日本では幼稚園年長児)から、必須科目として第2、第3言語を設置。
GIISでは、日本語・フランス語・ヒンディー語・タミル語から選択できます。
複数の言語が幼いうちから学べるのは魅力的です。
視覚を重視したインド式算数・数学
GIISの算数・数学の授業では、数式を学ぶような授業ではなく、視覚を使いながらイメージを働かせながら理解度を深めさせます。
道具を用いながら算数・数学の主題を考えさせながら教科書に移るところは、日本ではまだまだ見られない光景です。
子どもたちが受けた算数・数学の授業を参観した保護者は「まず最初にしくみを知るから自然と解き方が分かるのだと思う」と言います。
気になるGIISの学費は?
欧米式のインターナショナルスクールの年間費用が150万円~200万円と言われており、高いところでは年間330万円になるところもあります。
それに対してGIISは、以下のように小学生は年間約100万円、高校生だと約150万円なのです(2019年8月時点)。
インド式インターナショナルスクールは格安で子どもを通わせることができるのです。
グレード | 学費 | 割賦月 |
1~5年生 | 329,885円 | 4ヶ月毎 |
6~8年生 | 356,174円 | 4ヶ月毎 |
9~10年生 | 392,983円 | 4ヶ月毎 |
11~12年生 | 447,407円 | 4ヶ月毎 |
GIISの大学進学率は海外を含めて100%!
インド人は世界で活動する人が多く、アメリカなどのIT企業などで活躍する人が急増しています。
GIISの生徒の進学先もインド国内ではなく、オックスフォード大学やシンガポール国立大学など、世界でも名を連ねる大学へ進学。
このように最先端の技術をもつインド人と同じ教育を受けさせることで、自分の子どもも世界で通用する人物に育つ可能性が高くなるのです。
3. 当たり前ではない日本の学校教育
ここまでの記事を読んでいただいて、日本の学校教育とインド式インターナショナルスクールのGIISの教育の違いを感じたのではないでしょうか。
日本の多くの学校で採用されている50分授業、校則、制度、ルール…、これらはこれまでの日本の学校教育で当たり前のように進められてきました。
日本では50分授業が中心ですが、私は学校で授業をしていてさまざまな形で生徒を授業に参加させていますが、それでも50分集中させるのは困難だと感じています(←私の授業力のなさの影響かもしれません)。
GIISは休憩なしの30分授業を展開していますが、30分で教科が変わるためGIISの生徒は意外に集中できていますし、10時間もの授業に参加することができるのです。
人間の集中力は開始後5分がピークと言われていますから、50分授業が適切なのかの見直しも必要でしょう。
革新的な学校では、校則も定期試験もなくしました。
他の学校が現段階で行なっていないから「革新的」という言葉を使いましたが、校則も定期試験も本当に生徒にとって必要なものかを考えると、存続か廃止かを考える必要があるでしょう。
各学校が採っている制度についても、私は複数の学校に勤務してきましたのでそれぞれの学校に比較もできるのですが、やはり一般企業と比べると制度や考え方は古いです(←学校関係者は理解していただけると思います…)。
現在、日本の各学校の体制は見直すところがたくさんあることは間違いありません。
今の日本の教育が当たり前なんて思っていると、現代の子どもたち、そして未来の子どもたちに十分な教育を供給することはできないでしょう。
4. まとめ
今回は、インド式インターナショナルスクールについてご紹介しました。
インド式インターナショナルスクールと日本の学校教育制度では、大きな違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
インターナショナルスクールについて知ると、日本の学校教育の改善点を見い出すことができたのではないでしょうか。
なぜ今の時代、子どもをインターナショナルスクールに通わせたいと思う保護者が増えているのか。
今教員・先生の方は、勤めている学校に自分の子どもを入学させたいと思いますか?
今回の記事を参考に、子どもにとってどのような教育を供給すればいいのかを考える機会となれば幸いです。
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