1. はじめに
みなさんは普段、節約や無駄使いをなくす意識をしていますでしょうか。
家庭でも節約は大切ですが、会社企業や学校のような教育現場であるほど、消耗品などにかかる経費を削減すると、よりよい経営を行なうことができます。
今回は、会社企業や学校で当たり前にできる消耗品・時間の削減についてみていきましょう。
2. できることから無駄使いをなくす
会社企業や学校などの教育現場では、資源を無駄に使っているケースが多々あります。
私が教育現場で無駄使いだと気づいた点について、あげていきましょう。
ここでは「もの」の無駄使いだけでなく、「時間」の無駄使いについても併記します。
紙ベースの配布物
私が教育現場で最も無駄使いと思うのが、紙ベースの配布物です。
印刷業界の方には申し訳ありませんが、無駄をなくすという視点でお話しします。
教育現場では、生徒が使用する教科書、資料集、ノート、プリント教材をはじめ、生徒や保護者に連絡事項を伝達する手紙、会議の資料など、あらゆるところで紙が使わています。
私がつくづく思うのが「生徒にタブレット1つもたせるだけで紙はいらなくなるのに」ということです。
生徒がタブレットをもてば、そこにデジタル教材をインストールし、必要なことはタブレット上でメモさせるだけでいいのです。
もし補助教材が必要であれば生徒のタブレットに配信すればいいですし、小テストを実施するのであればタブレット上で行ないます。
小テストは「今から小テストを実施します」と教員・教師が言って、生徒のタブレットにその場で配信、解答時間が終われば瞬時にコンピュータがその場で採点しますので、小テスト終了後にすぐに採点が終わるだけでなく、生徒はその場ですぐに試験結果が分かりますし、クラスの平均点など、必要なデータも瞬時に算出できるのです。
保護者への連絡も、学校から保護者の登録メールアドレスに一斉送信するだけでOK。
生徒はときに何十キロにもなる重たいかばんをもって通学する必要がなく、タブレット1つもって登校すればいいのです。
これだけで何百万円、何千万円以上の経費が削減できます。
経費削減から時間の削減へ
先ほどの紙を使う量が減れば、印刷物を印刷する時間を削減することができます。
私もオールパワーポイントで授業をしているのですが、あいにく勤務校では生徒がタブレットをもっていないため、私がスクリーンに映すパワーポイントのスライドを、生徒に印刷して配布しています。
紙をできる限り無駄にしないように、両面印刷はもちろんのこと、章ごとに本形式にして配布しています。
40ページ分程の教材を100名分印刷しようと思うと、1時間弱の時間が必要です。
年間で計算すると、授業用教材の印刷だけで24時間以上の時間を無駄にしています。
タブレット1つあるだけで、教員・教師側も、他に生徒のためにしなければいけないことに時間を費やすことができるのです。
ある学校では、職員会議の資料を毎朝管理職が印刷したり、教員・教師の印刷の時間を節約するために業務アシスタントを雇用していましたが、まさに時間とお金の無駄でしかありません。
他にも改善するべきことがたくさんある学校でしたので、少しずつ管理職へ小出しにはしていたのですが、なかなか伝わらなくて残念なところもありました。
3. 無駄使いをなくすことで経営を軌道に乗せる
無駄使いをなくすことで、会社経営や学級経営を軌道に乗せることができます。
私が10年以上も前に学習塾を運営していたときでも、無駄使いを意識することなく、自然になくしていました。
生徒に使用させるのは主教材のみで、プリント教材を渡さなくても志望校に合格できていますし、保護者との連絡はすべてメールで完結していました。
無駄使いをなくすことで経営を軌道に乗せられるのは、経費面でコストカットできることはもちろんのこと、時間面でも効率化を図ることができます。
先ほどご紹介した学校経営でも、教員・教師の印刷作業のほか、放課後の設備点検などの日直、ただ上からの連絡事項だけで教員・教師同士の議論がない職員会議、時間だけ無駄に長くて中身のないクラブ活動など、時間の無駄はたくさんあるのです。
これらの無駄をなくせば、生徒と接する時間が増えますし、生徒のためにできることが増えるはず。
生徒の評価が高くなれば、それに比例して保護者の評価が高くなりますし、結果的に学校に生徒が増えることで学校経営を軌道に乗せることができます。
経営の軌道に乗らない会社企業・学校がやる「社内研修」「教員研修」
私は経営が軌道に乗っていない会社企業や学校を数々見てきました。
教育現場を例にあげると、経営の軌道に乗っていない学校は、教員・教師にさまざまな課題を突き付けてきます。
教育現場では「教員研修」がときおり行なわれます。
私も数々の教員研修を受けてきましたが、とくに校内の教員・教師で集まって行なう教員研修ほど、刺激を受けないものはありません。
Well-being Marketing Japanの記事でもお伝えしているように、内部の労働者だけで知恵を出し合っても、その組織の成長は微々たるものですので、外部の会社企業・学校教育現場を視察したり、そこで人脈を広げるほうが、よっぽど効果的です。
私が教育現場の指揮を執る立場であれば、外部の会社企業・学校教育現場を視察して得られた結果を、各教員・教師が個々で動画でプレゼンしたものを、校内の教員・教師に一斉配信させます。
そうすることで、他の教員・教師が自分の好きな時間に、見たい教員・教師のプレゼン動画を見れば、わざわざ職員会議や教員研修のように集まる必要はありません。
教員・教師が集まるときは、よっぽど重要な案件があるとき、経営陣・管理職が教員・教師の意見と議論したいときだけでいいのです。
経営の軌道に乗らない会社企業・学校がやる「給与・賞与カット」
経営状態に焦りが見える会社企業・学校教育現場では、経営が軌道に乗らないために、社員の給与をカットしたり、賞与をカットしたりします。
私が知っている学校では、学校の経営が不安定、校舎を増設するのに費用が必要という理由で、給与・賞与の一部がカットされました。
まず労使の雇用契約の中で定めた給与・賞与の一方的なカットはできませんし、裁判でも経営陣側は敗訴する判例がたくさんあります。
職員会議で「校舎増設のため、賞与の一部をカットすることになりました」と言われて、教員・教師が何も言わなかった場合、経営陣はこれを「労働者の同意」と捉える勘違い経営者がいますが、それは同意でも何でもありません。
またその伝達に対して、異議を申し立てて、結果的に給与・賞与をカットされている教員・教師にも問題があります。
異議を申し立てる人がいなかったのなら、それは信じられない事態です。
●クビになるのが怖いのでしょうか → 専任教諭は経営者側から正当な理由なく解雇されません。
●いじめられるのが怖い → 労働組合など教員・教師が一丸となれば大丈夫です。
経営陣と対立して仕事がしにくくなると思っている方、その時点であなたは負けです。
あなたの資産で校舎が増設されても、校舎はあなたのものになりませんし、そもそも校舎は学校法人の所有物です。
もっと自分を、家族を、周りの人、生徒を大切にしてください。
経営陣が無駄を省くだけでも、経営は上方修正されるはずです。
4. まとめ
今回は、会社企業や学校で当たり前にできる消耗品・時間の削減についてみていきました。
あなたの周りで無駄なものがあれば、できることから削減を始めてください。
無駄なものが削減できれば、無駄な時間も削減できるはずです。
経営陣や、組織の経営の効率化を図りたい方は、無駄をなくすだけでも大きく経営状態をかえることができるでしょう。
決して「経営の軌道に乗らない会社企業・学校があること」にあてはまらないような組織にしていきましょう。
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