1. はじめに
教員・教師になると、よく耳にする言葉が「教員・教師は視野が狭い」ということです。
生徒に幅広い視野を持たせなければいけない教員・教師が、なぜ視野が狭いといわれるのでしょうか。
今回は教員・教師が、視野が狭いと言われる実態についてご紹介します。
2. 教員・教師のベクトルは「学校内」
これは私も実感することで、教員・教師の仕事は、細かく分類すると、教務部、総務部、生徒指導部、進路指導部、入試広報部、教育推進部など、さまざまな校務分掌に分けられ、いずれかの部署に属してその業務を行ないます。
その他には担任業務、授業担当、クラブ指導など、その仕事は多岐に渡るのです。
しかしこれらの業務は基本的には学校内で行なわれていることであり、外部とコンタクトを図りながら進めるものではありません。
クラブ指導こそ、他校との関係があるかもしれませんが、それも「学校」の世界の中で行なわれていることです。
つまり教員・教師のベクトルは、常に「学校内」に向けられているのです。
3. 一般企業は常に「会社企業外」にベクトルが向いている
これが会社企業であるとどうでしょうか。
会社企業は自社の商品開発のために、外の世界をみて、今世の中で求められているものは何か、それを踏まえて自社ではどのような商品開発ができるかを常々考えます。
言いかえると、自社内を見ていても何も生み出されることはないのです。
ここが教員・教師との大きな違いですよね。
多くの教員・教師は学校内のことばかりに視野を向けていて、外部に視野を向けません。
今社会問題になっている教員・教師の過重労働が緩和されれば、外部に視野を向ける余裕が生まれるのでしょうか。
ただ勤めている学校内のことしか知らない教員・教師は、視野が非常に狭いです。
4. 私立学校で1つの学校しか勤めたことがない人ほど学校外をみるべき
私がいつも心配するのは、私立学校に新卒で採用されて、ずっと同じ学校に勤め続けている人。
その学校の事情しか知らないまま年齢を重ねていき、勤務校では経験年数が長いために後輩教員・教師を携えている姿は、「もっと外部の見たほうがいいよ」と声をかけたくなります。
もちろん教員・教師としてご尽力なされている方がほとんどでしょうから、これはあくまでも一部の人へのメッセージになります。
同じ教育業界でも、他校の取り組みを参考にしようと試みたことはあるでしょうか。
試みたときに人脈をつくる努力をしているでしょうか。
勤務校で行なっている教育が最も生徒のためになる教育ではありませんし、むしろ他校のほうが上級の取り組みをしていることがほとんどです。
例えばある学校ではICT教育を実践しており、校舎内には1億円以上かけて設置されたWi-Fiがあります。
l生徒は入学時にタブレットの購入が義務付けられており、タブレットを通じて授業や普段の連絡事項の伝達を受けるのです。
現代社会では、タブレットを使いこなせなければ、仕事を進めていくことができないといっても過言ではありません。
このような取り組みを行なっている学校に視察しにいく行動力がなければ、いつになっても視野の狭い教員・教師と言われ続けるでしょう。
5. 教員・教師の視野が狭いと生徒にも悪影響を及ぼす
教員・教師がそう言われても良いですが、最もかわいそうなのが、そこで教育を受けている生徒です。
それを最優先に考えてほしいと思います。
教員・教師だからこそ、他校での教育の取り組みを参考にするべきです。
私は複数の学校で行なわれている教育を見るだけでなく、海外で行なわれている教育の視察にも出向きました。
この教育はぜひ日本でも取り入れるべきだと思い、担当している授業でも実践しています。
また他校の取り組みだけ見ていても視野が狭くて、異業種の方とのコミュニケーションを図ることも大切です。
私はさまざまな業種の方とコミュニケーションをとり、現代社会の子どもたちに求めるもの・欠けているものなどをお話しします。
生徒は学校を卒業してからのフィールドは社会ですから、社会の生の声を聞く以外ないと思います。
社会で求められる力を身につけさせることこそが、学校の大きな役割でしょう。
教員・教師はこのような活動を行なわなければ、いつになっても視野の狭い教員・教師と言われ、生徒や保護者からの信頼も構築できないでしょう。
視野の狭い教員・教師と言われないために活動するのではなく、本当に生徒のことを思って教育活動をすすめてほしいと願います。
6. まとめ
今回は教員・教師が、視野が狭いと言われる実態についてご紹介しました。
教員・教師は、生徒の未来を担っている重要な役割を果たしていますので、日々自分の視野を広げることが求められます。
視野を広げるためには、同じ空間に浸るのではなく、外部へベクトルを向けること、人脈を広げることが先決です。
これらを怠っている教員・教師は、生徒の成長をもたらしていません。
記事を参考に、教員・教師に限らず、視野の広い人になって自分を大きくしていましょう。
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