1. はじめに
生徒はいつか学校を卒業し、社会へと羽ばたいていきます。
社会は学校とは違って、さまざまな力が求められるのですが、社会で求められる力は学校で育成する必要があるのです。
具体的に、社会で求められる力・人材にはどのようなものがあるのかみていきましょう。
2. 社会は力のない人に対して「学校で何を学んできたんだ」と言う
子どもを育てる義務・責任は、保護者にあることが大前提です。
そのため、生徒が学校で問題行動を起こした場合は、ときおり保護者に来校してもらい、面談を行なう場合があります。
ただ教員・教師は、子どもを育てる責任が学校にもあることを忘れてはいけません。
生徒は1日のほとんどの時間を学校で生活しているわけで、家庭の環境や学校の環境で人格が形成されていくのです。
だから社会で問題を起こしたときも、保護者の育て方だけでなく、学校でどのような教育を受けてきたのかと問われるのです。
人は生まれた瞬間に「家族」という小集団に属し、成長していくにつれて「学校」「会社」「組織」「社会」のような大集団に属していきます。
集団の中には他者がいることが大前提で、社会の中で生き抜いていくためには、他者と共存することが大前提になります。
3. 政府が掲げる「社会人基礎力」
政府は、社会で求められる力・人材として「社会人基礎力」を挙げています。
社会人基礎力とは、職場や地域社会の中で仕事を行なっていく上で必要な基礎的な能力のことで、経済産業省では社会人基礎力を、
●「前に踏み出す力(主体性・働きかけ力・実行力)」
●「考え抜く力(課題発見力・計画力・創造力)」、
●「チームで働く力(発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力)」
として、12の要素からなる3つの能力として定義し、共通言語として発信しています。
これらの力は「家族」という小集団で身につけられるものではなく、学校のような組織集団の中で育成していくものです。
つまり学校は普段の学校生活や学校行事を通じて、社会で生きていくための力を生徒に身につけさせないといけないのです。
4. 会社企業が感じる最近の子の特徴
最近の教育現場や社会でよく耳にするのが「最近の子は人としてできなければいけないことができない」という言葉。
とくに飽きれたようにおっしゃるのが「最近は、自分の意思を、自分の口から、自分で伝えられない子が多い」ということ。
すすんで挨拶をしない、欠勤の連絡をメールやLINE等で済ませようとする、自分がトラブルを起こした場合は保護者に代弁させる、コミュニケーションを図ろうとしない等。
ある企業では20名の新規採用があったのにも関わらず、結局半分以上が1年も経たないうちに退職したそうです。
退職した人の胸の内にはさまざまな思いがあって退職したのかもしれません。
今の時代に応じて、企業は産業心理学カウンセラーを用意したり、労働者の心のケアを図るしくみを形成する必要があるでしょう。
私は教育現場で生徒一人ひとりを大切にすることが大前提と考えています。
各生徒が生きてきた環境により、それぞれの人格を形成しているわけですから、その人格を最優先に考えるべきだと思います。
その中で学校は、教育を通じて、社会で生きていくために必要な力を育成する必要があるのです。
5. まとめ
今回は、社会で求められる力・人材にはどのようなものがあるのかについてご紹介しました。
社会で求められる力・人材を育成するためには、今の世の中でどのような力・人材が求められているかを、教員・教師自身が目の当たりにしなければいけません。
社会で求められる人材になること、また社会で自分の力を発揮できるほど、生徒は世のため人のために貢献することができ、幸せを感じながら生きていくでしょう。
そのためにも教員・教師がさまざまなことを学んで、学校づくりをしていく必要があるのです。
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