子どもの成績が悪い・上がらない!その悩みの要因は親にもある?!

りんぐフリースクール

1. はじめに

子どもの成績が悪い・上がらないとお悩みの親・保護者が多いのではないでしょうか??

子どもの成績が悪いと、ついつい「勉強しなさい!」と言ってしまう親・保護者の気持ちは理解できます。

ただ子どもの成績が悪い・上がらない要因には親・保護者も関係しています。

今回は、子どもの成績が悪い・上がらない要因に親・保護者がどのように関係しているのか考えてみましょう。

2. 親・保護者が子どもを勉強嫌いにしていないか

 

子どもの成績を上げたいと望んでいる親・保護者が、子どもを勉強嫌いにしているなんて…、とお思いでしょう。

では、親・保護者のどのような行動が子どもを勉強嫌いにしているかについてみてみましょう。

子どもに「勉強しなさい!」と言うのは逆効果

あなたが子どもだったとき、親・保護者から「勉強しなさい!」と言われた経験はありますか??

そのときにあなたはどのような反応を示していたでしょうか??

「分かってるよ!今やろうと思ってたわ!」

「せっかくやる気になっていたのに、それ言われたからやる気なくなったわ!」

個々でさまざまな反応していたことと思います。

私は何千人もの子どもを見てきて、これが子どもの本来の姿・反応であると思いますし、逆に「勉強しなさい!」と言われて、素直に勉学に励む子どもはほぼ見たことがないと言っても過言ではありません。

子どもは周囲の大人から「勉強しなさい!」と言われるほど、勉学に励まなくなります。

無理やり塾に通わせるのは逆効果

別の親・保護者のパターンとしては、子どもを無理やり塾に通わせることも、子どもの勉学に対する意欲を失くします。

親・保護者が無理やり塾に通わせて、子どもが勉学に興味・関心を抱ければいいのですが、無理やり塾に通わされている子どもの多くは、嫌々通塾しています。

子どもが前向きに通塾していない限り、成績の向上は見込めません。

だからといって子どもの成績が上がらないことを理由に「子どもをやる気にさせて成績を伸ばすことが塾の役割やろ?そのために親は金払ってるんやから」と言う親・保護者も目にします。

確かにそれに関して否定はしませんが、子どもを塾に通わせる前に、ご自身の子どもとよく話しをして、子どもの意欲を確認してから通塾させることが有効的です。

塾へベクトルを向ける前に、自分の子どもとしっかり向き合ってください。

子どもは言わなくても勉学に励む

ここまでの記事を読んでいただいた方の中には「でも勉強しない子どもに“勉強しろ!”と言わないと、本当に勉強しないままになるのでは??」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。

でも親・保護者のあなたの視点から子どものことを考えるのではなく、子どもの立場になって考えてみてください。

「勉強しろ!」と言われたら子どもはどんな気持ちになるのか、親・保護者から言われると勉強するわけがありません。

大人であるあなたも、周りから「この仕事をやりなさい!」と言われると嫌な気持ちになったり、やる気が阻害されないでしょうか??

私も複数の私立学校に勤務していたときに、細かな仕事の規律やルールを定めている学校は非常に働きにくかったですし、教員・教師・先生に生徒に指導するようなきまりを定めていたため、やる気が湧き出てこないだけでなく、人間として、組織人として認められていないと思いました。

このように人間は、周りから言われると自ら行動できなくなるものです。

ですので、子どもが目に余るほど勉学に励んでいなくても「勉強しなさい!」と強制しないことが大前提です。

では具体的に、子どもが勉学に励むために、親・保護者はどのような行動をとるべきかについては、次でみていきましょう。

3. 子どもを勉学に励まさせるためには

子どもが勉学に励むためには、親・保護者が子どもの意欲を尊重したり、子どもが勉学に励むことができる環境を作ることが大切です。

ここでは、私がこれまでに複数の家庭環境を見てきた子どもが勉学に励むための環境づくりの一例についてご紹介します。

ご紹介の中での共通事項として、親・保護者と子どもは上下関係なく、たくさんコミュニケーションをとることが大前提です。

子どもが乳幼児の場合

子どもが乳幼児の場合は、部屋におもちゃ、本、絵本などを置いている家庭が多いと思います。

乳幼児が親・保護者と一緒に遊びたい場合は、自らおもちゃを持ってきてアピールをしてきますし、持ってきたおもちゃで一緒に遊んであげてください。

乳幼児でも小学校入学前にもなると、ひらがなやカタカナを読んだり書いたりすることができますので、子どもが持ってきた本を読んであげたり、紙を持ってきたら一緒に字を書いたりしてあげましょう。

一番大切なのは、子どもがおもちゃや本に興味を示していて、自分一人で没頭しているならそれを見守ること、子どもが親におもちゃや本を持ってきて、一緒に読んだり遊びたいアピールをしてきたときは一緒に行動すること。

乳幼児であっても「自分でやる」ことが大切ですので、自分の子どもを尊重してください。

私が見てきた子どもの中には、以下のような子どもがいました。

国旗をみて世界の国名を言える3歳の子ども

ある家庭には、世界の国旗が示された本が本棚に並べられていました。

親・保護者は、その本を使って子どもに国旗を教えることはありません。

子どもが自分で並べられている本を取ってきて、自分で眺めているだけ。

子どもはさまざまなものに興味を示し、手に取ったり触ったりするもの。

その子どもは、国旗の下に書いてある国名はカタカナですので、それは子どもが自分で親に聞いていたそうです。

それをくり返すことで、子どもは国旗を見ただけで、その国の名前が答えられていました。

私も地理の教員・教師・先生でありながら、その子どものほうが国名をたくさん覚えていましたため、情けない気持ちになったことを今でも覚えています。

子どもが小学生・中学生の場合

小学生・中学生になると、学校で本格的に授業が始まります。

テストもあり成績がつけられるため、ここから親・保護者は子どもの成績や行動に口うるさくなる傾向にあります。

小学生後半から中学生になるにつれて自我が芽生えることから、子どもは反抗期に入るため、親・保護者が「勉強しなさい!」と言っても、反発して終わるだけです。

では親・保護者はどうすればいいのか。

「勉強しなさい!」と言いたくなる気持ちは分かります。

ただそこはグッとこらえてください

ただ親・保護者も人間ですし、何よりも大切な子どものことですから、ついつい「勉強しなさい!」と言ってしまうこともあるでしょう。

中学生にもなれば、親・保護者から言われなくても自分の成績と向き合うことができるようになるものです。

私も小中学生のときは、毎日のように親に「勉強しろ!」と言われ続け、反発をし続けましたが、あるとき親が何も言わなくなってきたときに、自分の成績の悪さに直面し、そこから初めて自分で勉学に励まなければならないと思いました。

ただ親・保護者としては「親が勉強しなさい!と言わなければ、本当に何もしなくなってどん底の成績になってしまう」という心配が出てくるでしょう。

私はこれまで数千人の生徒と接してきましたが、大半のケースでそうなることはなく、むしろ成績が右肩上がりになった例を多く見受けます

子どもが勉学に前向きにならない場合は、第三者である教員・教師・先生などと連携を図ってください。

親・保護者が一人で悩みを抱え込んではいけません。

子どもに「勉強しなさい!」と言わない家庭の一例

私はこれまでたくさんの親・保護者と接してきました。

親・保護者とは懇談で学習の話しになるのですが、成績上位者は家庭で「勉強しなさい!」と言われることはなく、成績下位者の家庭ほど「勉強しなさい!」と言われています。

成績上位者は、成績が良いから「勉強しなさい!」と言われる必要がないため口うるさく言われないのではないかとの指摘がありますが、親・保護者の話しを聞くと「成績が良いから“勉強しなさい!”と言わないのではなく、そもそも成績の良いか悪いかは本人の問題ですから。成績が悪ければ居残りや追試があって当然ですし、やるかやらないかは本人に任せています」とおっしゃる方が多くいます。

具体的には、子どもが2人いる親・保護者は、上の子に対しては「勉強しなさい!」と言い続けた結果、やる気を阻害してしまったので、下の子には「勉強しなさい!」と言わないようにすると、何も言わなくても自分で学習し、学校の成績も高成績という例も数多くあるのです。

子どもが中学生・高校生の場合

子どもが中学生・高校生になると、親・保護者が「勉強しなさい!」なんて言っても右から左でしょう。

また中学生から高校生は、自分と向き合い、自分の進路のことを考えられる年齢ですので、親・保護者は子どもに「勉強しなさい!」と言うのではなく、子どもが将来のことをどう考えているかを話し合うことが効果的です。

将来自分が何をしたいかを抱いている子どもは、それを大目標に自分の人生を歩むことになり、大目標を達成する際に勉学に励む必要があるのであれば、自ら勉学に取り組むでしょう。

最近では、将来何がしたいのかが不透明な生徒が多く見受けられますが、だからといって早急に将来の目標を立てさせる必要はありません。

中学・高校の間に学校内の活動だけでなく、学校外で自分の好きなことや興味・関心がもてるようなものを見つけてみてはと促すのも1つです。

高校では単位を認定されなければ卒業できませんので、親・保護者が「勉強しなさい!」と言わなくても、高校生である子どもは自分で学習に取り組む傾向が高いといえます。

余談ですが、もし高校で単位認定されず、進級できなかったり、転校の道を選んだとしても、それはその子どもの人生ですし、その先満足のいく人生にするかしないかも子ども次第です。親・保護者がガツンとものを言ってもいいですが、真正面から話しをするスタンスが望ましいでしょう。

4. 親・保護者と子どもの信頼関係を築く

子どもと親・保護者は、衣食住をともにし、長い時間ともに生活をしていくこともあり、双方の信頼関係を築くことが大切です。

信頼関係を築くうえで意識する必要があるのが「親・保護者と子どもが上下関係をつくらないようにする」ということ。

自分の子どもは1人の人間です。

親・保護者は子どもを「保護」する立場ではありますが、護っているからといって親が優位であるという考えはもつべきでないしょう。

ここでは親・保護者が信頼関係を築く3つの例をご紹介します。

子どもの気持ちを理解し真正面から向き合う

親・保護者が勉強のことになると「勉強しなさい!」というように強制的で強い口調でものを言います。

人間は強制させると不快な気持ちになりますよね?

それは子どもも同じですし、子どもは部下でも何でもありません。

子どもとの信頼関係を築くためには、たくさんコミュニケーションをとり、親・保護者が子どものことを真正面から受けとめ、日頃から上下関係のない会話を生むことが大切。

そうすると、子どもが自分の中で行き詰ったときも、親・保護者に相談しようと思うものです。

子どもに対して勉強のことを口うるさく言わない家庭では、子どもが自分の部屋があるのにも関わらずリビングのテーブルで勉強する姿が見受けられますが、これも子どもが親・保護者のことを信頼している1つの表れです。

子どもの長所を本人に伝える

子どものことを口うるさく言う親・保護者は、子どもの短所に目が行き過ぎている傾向があります。

大人も短所ばかり言われていると疎外感を感じるようになり、やる気など起きません。

あなたが面接を受けたときのことを想像してみてください。

例えば自己PRを言うときに、人間は短所は出てくるけれど、長所が出てこないことがありますよね。

人間は周りから短所を言われなくても、自分の短所は自分で一番良く分かっています。

それに対して長所については、自分で気づいていない長所がたくさんあるのも人間です。

子どもが自分で気づいていない長所を親・保護者が伝えることで自己肯定感が高くなり、前向きにさまざまなことに取り組もうとします。

短所は放っておいても、あとから自分で修正することが多くありますから、心配する必要はないでしょう。

親・保護者が幸せであることを表現する

子どもは、親・保護者がいつも見張っているような環境の中にいると息苦しさを感じます。

それがましてや勉強のことを口出しすると、子どもは当然のことながら逃げ出したくなるのです。

ですから何度もお伝えしたように、親・保護者は子どもに勉強のことを口出ししないこと。

子どもが「親・保護者は監視者」という見方にならないよう、子どもに勉強のことを話すのに時間を使うのではなく、親自身がやっていることを楽しそうに話しをするなどすることで、子どもは「何だか親の姿を見ていると楽しそう」となり、有益に働くことが多いです。

例えば、親・保護者が自分の好きな仕事をして生き生きしている姿を見ているのと、しんどい仕事をして疲れ切った姿を見るのでは、前者のほうが子どもは明るい未来を想像するでしょう。

子どもは、親・保護者の姿を敏感に見ています。

子どもとたくさんコミュニケーションとって、1つでも多くの笑いが起こることが、子どもが前向きに勉学に励む要因の1つと言えるのです。

5. まとめ

今回は、子どもの成績が悪い・上がらない要因に親・保護者がどのように関係しているのか考えてみました。

記事をお読みなって「本当に効果が出るものなのか」「自分の子どもは言わないとやらない」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。

多くの親・保護者はそう思うのですが、実践してみると子どもが能動的に勉学に励み、成績が向上したとい成果が表れているのです。

筆者が経営しているコミュニケーションスクール「六等星」は、学校の成績を上げたり受験に合格させるスクールではなく、子どもが能動的に生きていく力を養っています。

生きている中で、学校にしても会社にしても、成績や結果がすべてであるといっても過言ではなく、結果に至るまでのプロセスは評価してくれないことがほとんどです。

良い成績や結果を出すためには、受け身で生きるのではなく、能動的に動いた方が良い成績・結果を導くことができます。

今回の記事を参考に、子どもとの接し方をお考えいただければ幸いです。

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